雇用関係の助成金 一覧と支給要件まとめ

採用・雇用に関する雇用関係助成金についてご紹介します。
各助成金の支給のための概要、条件、金額を一覧にまとめました。中小企業に優遇される助成金もございますので参考にして下さい。

雇用関係助成金とは

雇用関係助成金とは、厚生労働省が所管で扱っている、「人材の雇用に関する条件を満たすことでもらえる支援金」のことです。雇用関係の助成金の目的は、労働者の職業を安定させることにあります。失業の予防 、雇用機会の増大、障害者の雇用、労働者の能力開発を図ることです。一般的な助成金の対象は新規事業に関する人材の雇用、障害者の雇用、人材の育成、介護・育児休暇制度の充実などです。
条件さえ満たせば随時もらうことが出来、返済する必要がありません。その条件とは従業員に関わるものが多く、雇用に関するもの、教育訓練を行うもの、福利厚生を充実させるものなど、2017年現在でその数50種類以上に上ります。
この記事では、数ある種類の雇用関係助成金の中でも、「従業員を新たに雇い入れた場合の助成金」について一覧にしています。 元から人材と必要としていた企業にとっては、人材確保ができ、返済不要の資金調達もできるメリットがあります。

雇用関係助成金の共通の条件

これからご紹介する各助成金共通の支給条件です。

受給できる事業主
以下のすべてを満たしている事業主が雇用関係助成金を支給される前提条件です。

1. 雇用保険適用事業所の事業主であること
2. 支給の審査に協力する事(支給の有無のための書類の整備・保管、管轄労働局からの書類提出の要望や実地調査の要望があった場合の受け入れ)
3. 申請期間内で申請を行うこと

中小企業の範囲
この記事ではいくつか中小企業の概念を用いて解説します。助成内容が中小企業と中小企業以外とで異なるものがありますので留意してください。
表中の各業種分類での「資本金の額または出資の総額」または「常時使用する従業員の数」どちらかを満たしていれば中小企業と定義とされます。

雇用でもらえる助成金まとめ

2017年2月現在、申請可能な雇用に関する助成金についてご紹介します。助成金の概要、支給される条件、支給金額、申請方法に分けてご紹介いたします。

特定就職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

特定求職者雇用開発助成金の特定の条件を満たした方を雇用した場合もらえる助成金です。高齢者(60歳以上65歳未満)、障害者、母子家庭の母など、幅広い条件に対応している助成金です。

受給要件
求職者の条件
1 ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
事業主の条件
1 雇用保険の適用事業主であること
2 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること

支給額
労働者の身体的条件とは別に、「週所定労働時間30時間以上の労働者」と「週所定労働時間20時間以上30時間未満の労働者(短時間労働者)」とで支給額が異なります。

週所定労働時間30時間以上の労働者
①高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母
②重度障害者等を除く身体・知的障害者
③重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者(重度障害者)

週所定労働時間20 時間以上30 時間未満の労働者(短時間労働者)
④ 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等
⑤重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者

➢ 申請の流れ
特定求職者雇用開発助成金の詳しい制度内容はこちら

トライアル雇用奨励金

職業経験、技能、知識当から安定した就職が困難な求職者を一定期間試用雇用した際にもらえる助成金です。試用雇用を通じて就職困難者に対し早期就職の手助けとなること、雇用機会を創出すること目的としています。

➢ 受給要件
求職者の条件
① ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
② 既にトライアル雇用期間中でない方
③ 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する方
④ 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない方
⑤ 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している方
⑥ 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている方
⑦ パート・アルバイトを含めた就労を妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いて いない期間が1年を超えている方
⑧ 生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、 中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者等の就職援助に特別な配慮が必要な方
事業主の条件
① 原則3ヶ月のトライアル雇用をすること
② 1週間当たりの所定労働時間が30時間(日雇労働者、ホームレス、住居喪失不安定就労者の方は20時間)を下回らないこと

➢ 支給額
対象者1人当たり月額最大4万円(最長3ヶ月)助成されます。
また、対象者が母(父)子家庭の母(父)の場合、月額5万円(最長3ヶ月)助成されます。

➢ 申請の流れ
トライアル雇用奨励金の詳しい制度内容はこちら

地域雇用開発奨励金(地域雇用開発助成金)

雇用機会が特に不足している地域(※1)の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。1年毎に最大で3回支給されます。

➢ 受給要件
求職者の条件
① 雇い入れの時点で下記の図の対象となる方

② 雇い入れの時点で65歳以上未満である方
事業主の条件
① 支給対象者の出勤状況および支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等)、 および施設・設備の設置・整備の状況とそれに要した費用を明らかにする書類等を整備・保管し、労働 局等から提出を求められた場合にそれに応じること
② 計画日から完了日までの間に3人以上(創業の場合は2人以上)雇い入れること
③ 常時雇用する雇用保険一般被保険者として雇い入れ、本奨励金の支給終了後も引き続き雇用すること

➢ 受給金額
本奨励金は、事業所の設置・整備費用と増加した支給対象者の数に応じて、下表の額が 支給されます。
また、2回目、3回目の要件を満たす場合、1回目と同額(上乗せ支給額を除く) が1年ごとに支給されます。
ただし、中小企業の場合これらの金額の1.5倍相当が助成されます。
加えて、中小企業かつ創業であると認められた場合、さらに1.5倍相当が助成されます。

➢ 申請の流れ

生涯現役コース(特定求職者雇用開発助成金)

雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、一年以上継続して雇用することが確実な労働者として雇い入れる事業主に対して助成されます。

➢ 受給要件

求職者の条件
① ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
② 雇い入れ日現在の満年齢が65歳以上の方
③ 紹介日に雇用保険の被保険者でない方

事業主の条件
① 雇用保険の適用事業主であること
② 1年以上の雇用が確実であると認めること

➢ 支給額

➢ 申請の流れ

 

特定求職者雇用開発助成金の詳しい制度内容はこちら

 

生涯現役起業支援助成金

40歳以上の中高年齢者の方が起業し、中高年の従業員を雇い入れた場合にもらえる助成金です。これらの従業委員を雇う際に負担した募集や採用、教育訓練などの費用を助成することを目的としています。

➢ 受給要件
① 起業者自らが起業した事業に専ら従事する事
② 起業者の起業基準日における年齢が40歳以上であること
③ 計画書で定めた期間以内に60歳以上の者を2名以上、もしくは40歳以上の者3名以上を雇い入れること
④ 支給申請時点で以下の雇用状をすべて満たすこと
イ) 計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないこと
ロ) 起業基準日から起算して支給申請日までの間における離職者の数が、計画期間内に雇い入れた対象労働 者の数を超えていない事業主であること。
ハ) 計画期間の初日から起算して6か月前の日から支給申請日までの間(基準期間)に、解雇など事業主都 合により被保険者を離職させていない事業主であること。
ニ) 支給申請書提出日における被保険者数の6%を超える被保険者を、倒産・解雇などによる離職理由により、離職させていない事業主であること。
➢ 支給額
(12か月以内の雇用創出にかかった費用)×(助成率)により支給額を算出します。
起業者の区分に応じて、以下の通りの金額が支給されます。

➢ 申請の流れ

障害者職場定着支援奨励金(障害者雇用安定奨励金)

障害者の雇い入れ、その業務遂行のための援助や指導を行う職場支援員を配置する事業主を対象に助成されます。障害者の雇用促進と職場定着向上を目的としています。
➢ 支給要件

求職者の条件
① 雇い入れ時点で以下のいずれかに該当する方
・身体障害者 ・知的障害者 ・精神障碍者 ・発達障害者
・難治性疾患のある方 ・高次脳機能障害のある方ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
② 雇い入れ日現在の満年齢が65歳以上の方
③ 障害者総合支援法に基づく就労継続支援事業(A型)の利用者として雇用されていない方

事業主の条件
① 雇用保険の適用事業主であること
② 対象労働者の出勤状況や賃金の支払い状況などを明らかにする書類を整備・保管していること
➢ 支給額
2つのケースが認められています。それぞれ、支給対象期間は2年間(精神障碍者は年間)で6か月ごと(支給対象期毎)に支給されます。

①雇用または業務委託により職場支援員を配置した場合
対象者一人につき、実際に就労した分の助成金が支給されます。

②委嘱による配置の場合
委嘱による支援回数×1万円
ただし、支援を実施した月数に上表の対象労働者1人当たりの月額を掛けた額が上限となります。

➢ 申請の流れ

障害者トライアル雇用奨励金

障害者雇用経験の無い中小企業が、対象の障害者を雇用し、法定雇用率を達成する場合に助成されます。
➢ 支給要件

求職者の条件
① 次のいずれかである方
・身体障害者 ・知的障害者 ・精神障害者
② 雇い入れ日時点で満65歳未満の方
③ ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方

事業主の条件
① 雇用保険の適用事業主であること
② 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること
③ 支給申請時点で常用労働者数が50人から300人であること
④ 1人目の支給対象者雇い入れ日の前日から過去3年間で障害者の雇用実績がない方

➢ 支給額
120万円
上記の条件をすべて満たすことで助成されます。

➢ 申請までの流れ

障害者初回雇用奨励金(ファーストステップ奨励金)

障害者雇用経験の無い中小企業が、対象の障害者を雇用し、法定雇用率を達成する場合に助成されます。

➢ 支給要件

求職者の条件
④ 次のいずれかである方
・身体障害者 ・知的障害者 ・精神障害者
⑤ 雇い入れ日時点で満65歳未満の方
⑥ ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方

事業主の条件
⑤ 雇用保険の適用事業主であること
⑥ 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること
⑦ 支給申請時点で常用労働者数が50人から300人であること
⑧ 1人目の支給対象者雇い入れ日の前日から過去3年間で障害者の雇用実績がない方

➢ 支給額
120万円
上記の条件をすべて満たすことで助成されます。

➢ 申請までの流れ

沖縄若年者雇用促進奨励金(地域雇用開発助成金)

沖縄県の区域内において、事業の設置・設備に伴い、35歳の未満の若い求職者を雇用した事業主が対象です。

➢ 支給要件

求職者の条件
① 沖縄県内居住の方
② 雇い入れ時点で35歳未満の方

事業主の条件
① 計画日から完了日までの間に3人以上雇い入れること
② 常時雇用する雇用保険一般保険者として雇い入れること
③ 施設・設備の設置・整備の状況とそれに要した費用を明らかにする書類等を整備・保管し、沖縄労働局等から提出を求められた場合にそれに応じること。
④ 沖縄労働局等による設置・整備事業所への立入検査等の実地調査に応じること

➢ 支給金額
1)本奨励金は、支給対象者1人あたり、雇入れ事業主が支給対象期中に当該支給対象者に支払った賃金 に相当する額に下表の割合を乗じた額が支給されます。

(2)ただし、支給対象者1人あたり、各支給対象期60万円、年間120万円を上限とします。

➢ 申請の流れ

中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金

中小企業事業主が障害者を雇い入れるための計画作成、10人以上の障害者の雇用、障害者の雇い入れに必要な設備の設置・整備の費用を助成するものです。

➢ 支給要件

求職者の条件
③ 次のいずれかである方
・重度身体障害者 ・知的障害者 ・精神障害者

事業主の条件
⑤ 雇用保険の適用事業主であること
⑥ 支給申請時点で雇用する常用労働者数が300人以下であること
⑦ 受給資格が認定された日の翌日から6か月以内に、10人以上の対象者を雇い入れること
⑧ 対象労働者を雇い入れる事業所の事業に使用する施設や設備の設置などを行うこと

➢ 支給金額

事業主の希望により()内金額で支給することも可能です。合計額は少なくなりますが、第一期の支給額が多くなることがメリットです。

➢ 申請までの流れ

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース(特定求職者雇用開発助成金)

障害者手帳を持たない発達障害の方や、難病のある方を雇い入れる事業主に対して助成するものです。

➢ 支給要件

求職者の条件
① 障害者手帳を所持していない方であって、発達障害者または難病のある方
② 雇い入れ日時点で満年齢が65歳未満である方
③ ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方

事業主の条件
① 雇用保険の適用事業主であること
② 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること
③ 対象労働者の出勤状況や賃金の支払い状況などを明らかにする書類を整備・保管していること

➢ 支給額

➢ 申請の流れ

三年以内既卒者等採用定着奨励金

既卒者等の応募可能な新卒者の申し込みまたは募集を行い、採用後の一定期間定着させた事業主に対して申し込みをします。

➢ 支給要件

求職者の条件
① 中学校、専修学校、各種学校、外国の教育施設の卒業者、または中退者
② 公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校の卒業訓練の修了者、または中退者
③ これまで通常の労働者として同一の事業主に引き続き12か月以上雇用されたことがない方

コース別の求職者条件
【既卒者当コース】
① 既卒者・中退者が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・ 募集に応募した既卒者・中退者を通常の労働者として雇用したこと
② 当該求人の申込みまたは募集前3年度間において、既卒者等が応募可能な新卒求人の申 込みまたは募集を行っていないこと
【高校中退者コース】
① 高校中退者が応募可能な高卒求人の申込みまたは募集を行い、当該求人・募集に応募した高校中退者を通常の労働者として雇用したこと
② 当該求人の申込みまたは募集前3年度間において、高校中退者が応募可能な高卒求人の 申込みまたは募集を行っていないこと

➢ 受給額

➢ 申請の流れ

生活保護受給者等雇用開発コース(特定求職者雇用開発助成金)

生活保護受給者や生活困窮者を採用した際は、申請すると特定求職者雇用開発助成金が支給されます。
自治体がハローワークに要請のした生活保護受給者や生活保護困窮者を、ハローw-区からの紹介で雇い入れることが条件です。
また、雇い入れから6か月後には対象労働者に対しハローワーク職員が直接訪問し、職場定着を支援します。

➢ 受給要件

求職者の条件
① 生活保護受給者または生活困窮者であること
② 自治体からハローワークに対し就労支援の要請がなされている方
③ 自治体とハローワークが連携して行う就労支援の期間内の方

求職者の条件
① 雇用保険一般被保険者として雇い入れること
② 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること

➢ 支給額

➢ 申請の流れ

 

特定求職者雇用開発助成金の詳しい制度内容はこちら

 

総括

これらの助成金は基本的に雇用が前提の助成金ばかりです。一部、設備の設置や起業が条件となっている助成金もありますが、条件が一致すればもらって損をすることありまません。
人材を雇用するとき、また、人材を雇用したいと考えている方はもらえる助成金があるか探してみてください。

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参考サイト

事業主の方のための雇用関係助成金

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