特定就職困難者コース(旧特定就職困難者雇用開発助成金)とは
特定求職者雇用開発助成金の一つである、特定就職困難者コース(旧特定就職困難者雇用開発助成金)についてご紹介します。
特定求職者雇用開発助成金の特定の条件を満たした方を雇用した場合もらえる助成金です。高齢者(60歳以上65歳未満)、障害者、母子家庭の母など、幅広い条件に対応している助成金です。
受給要件
求職者の条件
① ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
事業主の条件
① 雇用保険の適用事業主であること
② 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること
支給額
労働者の身体的条件とは別に、「週所定労働時間30時間以上の労働者」と「週所定労働時間20時間以上30時間未満の労働者(短時間労働者)」とで支給額が異なります。
週所定労働時間30時間以上の労働者
①高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母
②重度障害者等を除く身体・知的障害者
③重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者(重度障害者)
週所定労働時間20時間以上30時間未満の労働者(短時間労働者)
④ 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等
⑤重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者
申請の流れ
特徴
受給対象者を雇用保険の一般保険者として継続雇用すれば受給可能な助成金です。それに係る就業規則等の規定を設ける必要もないため、手軽に受給申請可能です。
トライアル雇用奨励金との併用
トライアル雇用により雇い入れた対象労働者を、トライアル雇用期間終了後も、引き続き、継続して雇用する労働者として雇用する場合、 特定求職者雇用開発助成金の第2期支給対象期分を受給することができます。
トライアル雇用奨励金については次項目でご紹介いたします。
特定求職者雇用開発助成金の詳しい制度内容はこちら
トライアル雇用奨励金について
職業経験、技能、知識当から安定した就職が困難な求職者を一定期間試用雇用した際にもらえる助成金です。試用雇用を通じて就職困難者に対し早期就職の手助けとなること、雇用機会を創出すること目的としています。
受給要件
求職者の条件
① ハローワーク、地方運輸局(船員として雇い入れる場合)、適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等から紹介された方
② 既にトライアル雇用期間中でない方
③ 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する方
④ 紹介⽇時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない方
⑤ 紹介⽇の前⽇から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している方
⑥ 紹介⽇の前⽇時点で、離職している期間が1年を超えている方
⑦ パート・アルバイトを含めた就労を妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介⽇の前⽇時点で、安定した職業に就いて いない期間が1年を超えている方
⑧ 生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、 中国残留邦⼈等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者等の就職援助に特別な配慮が必要な方
事業主の条件
① 原則3ヶ月のトライアル雇用をすること
② 1週間当たりの所定労働時間が30時間(日雇労働者、ホームレス、住居喪失不安定就労者の方は20時間)を下回らないこと
支給額
対象者1人当たり月額最大4万円(最長3ヶ月)助成されます。
また、対象者が母(父)子家庭の母(父)の場合、月額5万円(最長3ヶ月)助成されます。
ただし、以下イ、ロ、ハの場合、その月額は支給対象者が期間中に実際に就労した日数に基づいて計算した額となります。
A=(1か月間に実際に就労した日数)÷(当該1か月間に就労を予定していた日数)
(母子家庭の母等又は父子家庭の父以外の場合)
(母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合/若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の対象者に対しトライアル雇用を実施する場合 )
イ) 次のa~bのいずれかの場合であって、トライアル雇用に係る雇用期間が1か月に満たない月がある場合
a.支給対象者が支給対象期間の途中で次のいずれかの理由で離職した場合
• 本人が責任を負うべき理由による解雇
• 本人の自己都合による退職
• 本人の死亡
• 天災その他のやむを得ない理由により、事業の継続が不可能になったことによる解雇
⇒支給対象者が1か月間に実際に就労した日数
=離職日の属する月の初日から当該離職日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数
b. トライアル雇用の支給対象期間の途中で常用雇用へ移行した場合
⇒支給対象者が1か月間に実際に就労した日数
=常用雇用への移行日の前日の属する月の初日から当該移行日の前日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数
ロ) 支給対象者本人の都合による休暇またはトライアル雇用事業主の都合による休業があった場合
⇒支給対象者が1か月間に実際に就労した日数
=その1か月間に実際に就労した日数(ただし年次有給休暇等法令による休暇は就労した日数とみなします)
申請の流れ
注意事項
試行期間の期間は原則3か月ですが、対象労働者の自己都合離職等で3か月未満の試用雇用となってしまった場合、支給申請期間もその分前倒しになります。通常、3か月のトライアル雇用から終了の2か月後が申請期限ですが、このような場合、対象労働者の離職日から2か月が申請期間となります。
トライアル雇用奨励金の詳しい制度内容はこちら
地域雇用開発奨励金について
雇用機会が特に不足している地域の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。1年毎に最大で3回支給されます。
受給要件
求職者の条件
① 雇い入れの時点で下記の図の対象となる方
② 雇い入れの時点で65歳以上未満である方
事業主の条件
① 支給対象者の出勤状況および支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等)、 および施設・設備の設置・整備の状況とそれに要した費用を明らかにする書類等を整備・保管し、労働 局等から提出を求められた場合にそれに応じること
② 計画日から完了日までの間に3人以上(創業の場合は2人以上)雇い入れること
③ 常時雇用する雇用保険一般被保険者として雇い入れ、本奨励金の支給終了後も引き続き雇用すること
施設設置について
次のイ、ロ、ハのすべてを満たす事業所(施設・設備)の設置・整備を行うこと。なお以下、これによって設置・整備された事業所を「設置・整備事業所」といいます。
イ) その施設・設備が、雇用の拡大のために必要な事業の用に供されるものであること
ロ) その設置・整備が、計画日から完了日までの間(最長18ヶ月間)に行われるものであること
ハ) その設置・整備に要する費用が1点あたり20万円以上で、合計額が300万円以上であること
受給金額
本奨励金は、事業所の設置・整備費用と増加した支給対象者の数に応じて、下表の額が 支給されます。
また、2回目、3回目の要件を満たす場合、1回目と同額(上乗せ支給額を除く) が1年ごとに支給されます。
ただし、中小企業の場合これらの金額の1.5倍相当が助成されます。
加えて、中小企業かつ創業であると認められた場合、さらに1.5倍相当が助成されます。
申請の流れ
統括
冒頭でもお伝えしたとおり、これらは採用関連の助成金の中でもニーズが高い助成金の3つです。また、特定就職困難者コースとトライアル雇用奨励金は併給も可能なおすすめの助成金です。
また、雇用関係の助成金の受給は企業のイメージアップにもつながります。「助成金の受給ができた安定的な企業」と国から認定されるわけですから、金融機関等から融資審査を受ける際にも有利に働く可能性も高いです。
ただ単に「採用した」だけでなく、採用の機会を通じて賢く助成金を活用してみてください。
あわせて読みたい
- 雇用関係助成金の一覧はこちらをご覧ください。