職業紹介事業に必要な申請業務のすべて

職業紹介責任者講習、報告書、許可申請書、変更届などなど、一見大変そうに見える職業紹介事業の申請業務一式をまとめました。これさえ見れば、申請業務のお悩みは一発解消!

設立時に必要な手順の概要

手順は大きく分けて2つです。
1. 職業紹介責任者講習の受講
2. 申請書類の提出・手数料や税金の納付

一般的な会社設立に必要な手続きを除けば、実はたったこれだけなのです。
ただし、申請後に許可を受けてから事業を開始するまでに2~3か月はかかりますので、「早めの準備が必要」というのは心得ておくべきでしょう。
以下では、この2つについて更に詳しく解説します。

必要な講習の種類

職業紹介事業を始めるためにまずやることは、「職業紹介責任者講習」の受講です。
というのも、この講習を受講し、「職業紹介責任者」の資格を有していない限り、次に行う申請書類が受理されないのです。
ですので、まず第一に「職業紹介責任者講習」を受講する必要がある、ということだけはおさえておいてください。

一方で、似たような名称の講習として、「派遣元責任者講習」というものがあります。
こちらは、人材派遣事業を行うために必要な講習ですので、職業紹介事業しか行わない場合には、受講の必要はありません。混同しないようにしましょう。

ポイント
・まず「職業紹介責任者講習」を受けること
・「派遣元責任者講習」は職業紹介事業には必要ない

「職業紹介責任者講習」は、特に試験対策などの勉強が必要なものではなく、受講することが資格の要件です。また、年齢や職業に関わらず誰でも受けることができます。

無事に「職業紹介責任者」の資格を持ちましたら、次に申請書類を提出する必要があります。

申請書類について

申請書類は、事務所を置く都道府県の労働局に以下の必要書類を提出する必要があります。

職業紹介事業許可申請書

この書類では、まず職業紹介を「有料でするのか」、「無料でするのか」を決め、それに応じて記入箇所が変わる部分があります。ここでは、より一般的な「有料」職業紹介事業許可申請書について紹介します。

1. 表題の「・無料」と「職業紹介事業許可有効期間更新申請書」の文字を消す
2. 「2.」「3.」「4.」の全文を消す

あとは、所在地や代表者名などの基本事項を記載すれば、この書類は完成です。

職業紹介事業計画書

この書類でも、「有料職業紹介事業」と「無料職業紹介事業」で記入する箇所が異なりますが、注意すべき点は事業所ごとに記載し提出する必要があるという点です。ですので、事業所が1つの場合は1枚の記載・提出で問題ありませんが、事業所が2つある場合は2枚の記載・提出が必要になります。
ここでも、より一般的な「有料」職業紹介事業計画書について紹介します。

1. 表題の「無料職業紹介事業計画書」、「特別の法人無料職業紹介事業計画書」、「地方公共団体無料職業紹介事業計画書」の文字を消す

あとは、各見込み数や資産状況などを記載すれば、この書類は完成です。

届出制手数料届出書

この書類は、提出するかしないかは任意になります。提出しない場合は、事業を行うにあたって紹介先企業から徴収できる手数料は、「上限制手数料」の規定が適用されます。
「届出制手数料」を選択したい場合は、この書類を提出する必要があります。

書類の記入に関しては、特別なことはありません。

(参考)紹介手数料で受け取れる金額の上限

有料職業紹介事業の紹介手数料については、「上限制手数料」と「届出制手数料」のいずれかを選択し徴収することができます。
現状のビジネスモデルでは「届出制手数料」を選択するケースが大半のようです。

上限制手数料
➢ 支払われた賃金額の10.8%相当額を上限に徴収できます。

届出制手数料
➢ 求職者の年収の50%を上限に徴収できます。

添付書類

職業紹介事業を「法人」で行うのか「個人」で行うのかによって、提出すべき添付書類が変わります。共通して必要な書類は以下の通りです。
・住民票の写し
・履歴書
・代表者役員の法定代理人の住民票の写し及び履歴書
・最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書、納税申告書の写し、法人税または所得税の納税証明書
・個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規定
・業務の運営に関する規定
・建物の登記事項証明書、賃貸借又は使用貸借契約書
・手数料表(届出制手数料の届出をする場合)
上記以外の添付資料は、以下の表を参考にしてください。

職業紹介事業報告書とは

職業紹介事業を行う場合、前年度の職業紹介事業の状況を報告書にまとめ、毎年4月30日までに管轄の都道府県の労働局に提出しなければなりません。

職業紹介事業の監査証明とは

職業紹介事業を行う際に必要な条件のひとつに「資産要件」があります。(詳細は後述します)
資産要件を満たさない場合、公認会計士又は監査法人による監査証明を受けた中間または月次決算書が提出されれば、改めて審査されるという救済措置です。

監査証明とは、その財務諸表がその企業の経営成績やキャッシュフローの状況、財政状態を適正に表しているかを監査し、意見を述べることです。

(参考)職業紹介事業を行う際の財産基準

職業紹介事業の更新について

職業紹介事業を更新する場合は、許可の有効期間が満了する30日前までに管轄の都道府県の労働局に、以下の必要書類を提出する必要があります。

許可有効期間更新申請書

この書類は、申請時に提出する「職業紹介事業許可申請書」と同じ紙面を使用します。
ここでは、「有料」職業紹介事業を更新する場合での書き方を紹介します。
1. 表題の、「・無料」「職業紹介事業許可申請書」の文字を消す
2. 「1.」「2.」「4.」の全文を消す

あとは、所在地や代表者名などの基本事項を記載すれば、この書類は完成です。

事業計画書

この書類も、申請時に提出する「職業紹介事業計画書」と同じ紙面を使用します。
ここでも、より一般的な「有料」職業紹介事業計画書について紹介します。

1. 表題の「無料職業紹介事業計画書」、「特別の法人無料職業紹介事業計画書」、「地方公共団体無料職業紹介事業計画書」の文字を消す

あとは、各見込み数や資産状況などを記載すれば、この書類は完成です。

添付書類

添付書類は以下の通りです。
・貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書の写し
・法人税の納税申告書の写し、納税証明書

職業紹介事業変更届出書とは

有料職業紹介事業者は、代表者や役員の氏名及び住所、事業所の新設又は廃止、職業紹介責任者の氏名及び住所、他に行っている事業、国外にわたる職業紹介事業を行う場合に利用する取次機関の名称、住所及び事業内容、に変更があった場合には、その旨を厚生労働大臣に届け出なければなりません。
その際に提出する書類が「職業紹介事業変更届出書」です。

総括

一見、必要書類が多く手順も煩雑に見えますが、実際には①講習を受け、②2種類からの専用の書類を書く、といった2つの手続きだけで、職業紹介事業を始めることが可能です。
また、書類に関しても特に専門的なことを記載する必要はなく、許可基準さえ満たしていれば躓くこともないはずです。

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参考サイト

職業紹介事業パンフレット―許可・更新等マニュアル― |厚生労働省

職業紹介事業の業務運営要領 |厚生労働省

有料職業紹介事業の変更の届出|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

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