「派遣社員」と「契約社員」の違いは?わかりやすく解説

派遣社員と契約社員との違いについて解説します。また、請負や委託との違いについても分かりやすく解決します。


派遣社員とは?

厚生労働省では、派遣社員は以下のように定義されています。

労働者派遣とは、労働者が人材派遣会社(派遣元)との間で労働契約を結んだ上で、派遣元が労働者派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に労働者を派遣し、労働者は派遣先の指揮命令を受けて働くというものであり、労働者に賃金を支払う会社と指揮命令をする会社が異なるという複雑な労働形態となっている-労働者派遣では、法律上の雇い主はあくまで人材派遣会社になります。(引用:「さまざまな雇用形態|厚生労働省」

以上を整理すると、次のようになります。

派遣社員とは、
① 人材派遣会社に登録し
② 仕事の紹介を受け
③ 企業に派遣され就業する雇用形態

派遣社員の特殊な部分としては、「法律上の雇い主はあくまで人材派遣会社」であるというところになります。
詳しくは後ほど解説しますが、つまり、働いている会社とは労働契約を結んでいない(=働いている会社から給料は発生しない)ということなのです。

正社員との違い

正社員は無期雇用ともいわれますが、ここが派遣社員との明確な違いのひとつになります。
さらに、正社員やパート、契約社員(後述)は直接その会社と雇用契約を結んでいます。
ですから、業務の指示もその会社から受けますし、給料も当然ながら働いている会社から発生することになります。


一方で、派遣社員の場合は業務の指示こそ働いている会社から受けますが、給料は働いている会社からではなく、派遣会社から発生します。というのも、雇用契約は派遣会社と結んでいるのであって、派遣先の企業とは結んでいないからです。
この点も、正社員と派遣社員の違いといえるでしょう。

契約社員との違い

ここでまず、厚生労働省の定める契約社員(有期労働契約)の定義を見てみましょう。

契約社員といわれる人たちなどにみられるように、正社員と違って、労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている場合があります。このような期間の定めのある労働契約は、労働者と使用者の合意により契約期間を定めたものであり、契約期間の満了によって労働契約は自動的に終了することとなります。1回当たりの契約期間の上限は一定の場合を除いて3年です。(引用:「さまざまな雇用形態|厚生労働省」

正社員と異なる点としては、労働契約に雇用期間が定められているか、定められていないかという点だけです。よって、それ以外は正社員と同様に、働いている会社と労働契約を結び、働いている会社から給料が発生するのです。

一方で派遣社員は、「法律上の雇い主はあくまで人材派遣会社」ですから、働いている会社とは労働契約を結びませんし、働いている会社から給料が発生しないのです。
この点が、最も大きな違いということができます。

ここで、少し気になるところがあります。契約社員は「1回当たりの契約期間の上限は一定の場合を除いて3年」という部分です。
実は、派遣社員にも「1人の派遣社員が派遣先企業の同じ部署で勤務できる期間は、3年が上限」という期間制限があります。両方とも、とても似たような規制ですが、実際は全く異なるものです。

契約社員の「3年の上限」は、1回あたりの契約期間ですので、契約を更新してしまえば3年以上契約することができます。
一方の派遣社員の「3年の上限」は、3年が経過した時点(抵触日)で派遣社員としてその業務で働くことができなくなってしまいます。派遣先企業が継続してその派遣社員を「同じ業務で」働かせたい場合は、直接雇用契約を結ぶ義務が発生します。
注意したいのが、「同じ業務」でなければ、再度その派遣社員を働かせることが可能になります。

しかし、ここでも紛らわしいのが、契約社員にも俗に「5年ルール」と呼ばれる規制があるのです。

この規制では、契約社員が「同じ事業所」で累計5年間契約した場合、無期雇用契約への転換の「権利」が契約社員に発生するものです。

この場合は、あくまで「権利」が発生するだけですから、会社は無期契約雇用への転換を義務づけられているわけでもありませんし、契約社員がその権利を行使しない可能性もあります。また、「同じ事業所」というのも条件です。

よく錯誤しがちなのが、この派遣社員の「3年ルール」と契約社員の「5年ルール」です。
この違いを明確にして、混同しないようにしましょう。

請負・委託との違い

請負は、民法第632条にその定義があります。

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。(引用:民法-法令データ提供システム

つまり、請負会社が委託会社から受託した業務を遂行するということです。
派遣は比較的新しいアウトソーシングの形である一方で、請負はかなり昔からある一般的なアウトソーシングの形であるといえます。

請負では、実際に働く労働者は請負会社と労働契約を結んだ社員になります。また、業務の遂行は請負会社の責任です。よって、業務の指示は請負会社が出し、勤務先企業はその社員に業務の指示を出すことはできません。

 

一方派遣では、労働契約を派遣会社と派遣社員が結ぶのは請負とさして変わりませんが、業務の遂行自体は派遣社員の責任になります。よって、業務の指示は勤務先企業が出します。
この点が、派遣社員と請負の大きな違いといえます。


さらに、派遣会社はその設立に一定の基準があり、厚生労働大臣の許可が必要ですが、請負では許可や届出などは必要ありません。
ここで注意したいのが、請負として事業をしているのにも関わらず、その実態が派遣と変わらないというケースがあり得るということです。(請負の委託会社が業務の指示を出してしまうなど)その場合、いわゆる「偽装請負」となり、違法行為とみなされることがあります。

出向との違い

まず出向には2つの形態があります。
転籍出向
➢ 出向元企業の社員としての身分を解消し、出向先企業の社員として働く
在籍出向
➢ 出向元企業の社員としての身分を維持したまま、出向先企業の社員として働く

転籍出向であれば、派遣との違いもすぐにお分かりになるかと思いますが、在籍出向の場合、出向元の社員でもあり出向先の社員でもあるという複雑な形態であり、派遣との明確な違いもわかりづらくなっています。
よって、以下では「在籍出向」についてより詳細に解説します。

在籍出向では、出向元企業と出向先企業の双方と雇用契約を結びます。
出向先企業はその社員に対して業務の指示を行い、部署間の移動などの人事権を有します。
出向元企業はその社員に対して業務の指示は行えず、一部の人事権を有するにとどまります。


派遣との違いは、出向先企業(派遣先企業)と雇用契約が結ばれているかいないかの部分になります。

総括

今回は「派遣社員」と「正社員」「契約社員」「請負」「委託」「出向」との違いをそれぞれ解説しました。それぞれ混同しやすいだけでなく、場合によっては違法となってしまうケースもあるため、これらの違いはしっかりとおさえておきましょう。

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参考サイト

さまざまな雇用形態|厚生労働省

労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)関係疑義応答集|厚生労働省

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