目次
人材派遣業界の職種と仕事内容
人材派遣会社には、以下のような職種があります。
人材派遣業界特有の職種
営業:クライアント企業への提案やヒアリング、アフターフォローなどを行います。
スタッフ支援:登録されている派遣スタッフへの教育訓練、サポートなどを行います。
コーディネーター:登録されている派遣スタッフへの仕事の紹介、相談などのフォローを行います。
その他共通の職種
経営企画、人事、総務、経理etc…
今回は、人材派遣業界特有の「コーディネーター」についてまとめてみました。
※派遣会社によっては、営業とスタッフ支援、コーディネーターの職種の区切りが曖昧であることがあります。今回は「コーディネーター」に限定して解説していきます。
人材コーディネーターとは?キャリアコンサルタントとの違いは?
人材コーディネーターとは、求職者と求人者(求人企業)の仲介役です。
具体的には、以下のことを行っています。
・求職者の登録時の面接・プロファイリング
・受注された業務に適した人材のピックアップ・仕事紹介
・派遣後の派遣社員のカウンセリング
上記以外にも、営業職のサポートや事務的処理、あるいは営業職を兼任するような場合もあり、その業務は多岐に渡ります。
ちなみに、キャリアコンサルタントとはどう違うのでしょうか。
キャリアコンサルタントは、人材サービス業界全般でその利用者のカウンセリングや指導などを行う人のことを指します。また、2016年より国家資格になっており、有資格者は幅広いキャリアパスが期待されます。会社にとっても利用者にとっても心強い存在です。
詳しくは「必要な資格は?」にて後述します。
営業とどう違うの?
営業の仕事は細かく3つの仕事内容に分けることができます。
新規開拓営業
➢ 新規顧客に人材派遣の活用を提案、コンサルティングを行います。
ルートセールス
➢ 既に派遣されているスタッフのフォローを行います。
➢ 既に契約を結んでいる顧客に対し、増員などの提案をします。
未経験で人材派遣会社の営業をする場合、新規開拓営業から行うことが多いようです。
コーディネーターは、先述の通り面接や仕事紹介、カウンセリングなどが中心の業務になりますから、主に内勤になることが多いようです。
加えて、テレアポで営業をする場合もあるようです。
必要な資格は?
人材コーディネーターになるために必要な資格はありません。未経験者でも人材コーディネーターとして採用されることもあります。
一方で、キャリアパスが広がるといったメリットで注目される資格があります。2016年4月より国家資格となった「キャリアコンサルタント」です。
この資格がない人は、「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗ることはできません。
受験資格
(下記のいずれかの要件を満たした方が受験できます。)
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計また職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した者
・平成28年3月までに実施されていたキャリアコンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した者
なお、この資格は、「標準レベル」の能力水準であるとされています。
この「標準レベル」よりさらに上位のレベルの資格として「キャリアコンサルティング技能士」があります。
キャリアコンサルティング技能士とは
技能の内容に応じて、1級と2級に区分されます。1級は「指導レベル」、2級は「熟練レベル」という位置づけにあり、「標準レベル」の資格の上位に相当します。
受験資格
(下記のいずれかの要件を満たした方が受験できます。)
➢ 1級
・10年以上の実務経験
・9年以上の実務経験を有し、大学において検定職種に関する科目について20単位以上修得し卒業した者、または標準レベルのキャリアコンサルタント養成研修と同等以上の養成研修を受講し修了した者
・8年以上の実務経験を有し、大学院において検定職種に関する科目について8単位以上修得し修了した者、または標準レベルのキャリアコンサルタントである者
・2級合格後、3年以上の実務経験を有する者
➢ 2級
・5年以上の実務経験を有する者
・4年以上の実務経験を有し、大学において検定職種に関する科目について20単位以上修得し卒業した者、または標準レベルのキャリアコンサルタント養成研修と同等以上の養成研修を受講し修了した者
・3年以上の実務経験を有し、大学院において検定職種に関する科目について8単位以上修得し修了した者、または標準レベルのキャリアコンサルタントである者
このように、より高い知識とスキル、そして実務経験が求められます。
近年の合格率は2級であれば20%程度で推移しています。一方、1級は合格率がまちまちで、4%台の年もあります。いずれにせよ、難関資格であることは間違いなさそうです。それだけの価値がある資格であるともいえるでしょう。
その他の資格について
キャリアコンサルティング技能士は、「指導レベル」「熟練レベル」であったのに対し、こちらの資格は「標準レベル」の資格になります。
・日本産業カウンセラー協会キャリア・コンサルタント試験
・日本キャリア開発協会CDA資格認定試験
・キャリアカウンセリング協会GCDF-Japan試験
年収の相場はどのくらい?
人材コーディネーターの年収は300~500万円が相場のようです。
さらに、先述した「キャリアコンサルティング技能士」の有資格者の場合、さらに年収が増える傾向にあります。
大手勤務の場合の他、専門性の高い職種(医師やエンジニアなど)を取り扱う人材サービス会社の場合、人材コーディネーターにも高度な専門性が求められるため、年収が上がりやすいです。
キャリアパス
「キャリアコンサルティング技能士」を取得すれば、将来性をもつ希少な人材になることができるでしょう。
また、営業の中で経営や法律に触れる機会も多く、社労士や中小企業診断士といった資格を取得し、キャリアチェンジに挑戦する人も多いです。
具体的には、以下のようなキャリアパスが考えられます。
ベテランコンサルタント
➢ 実務年数を重ねるほど「キャリアコンサルティング技能士」の取得の可能性が近づきます。この資格の取得や高い専門性をさらに伸ばしていき、生涯現役の道が開けるでしょう。
マネジメント
➢ 元々人を扱う仕事柄、特に人材のマネジメントはその専門性を活かして取り組める仕事内容です。
独立
➢ 人材サービス業は比較的独立起業しやすい業界であることから、一定の経験を積んで独立する人も少なくないでしょう。
キャリアチェンジ
➢ 他企業の人事やハローワーク、大学などのキャリアコンサルタントへの転職などが考えられます。仕事柄、多くの職種に触れる機会が多いため、異業種への転職のハードルも低くなっています。
総括
今回は人材コーディネーターについて解説しました。営業とはまた異なる仕事内容であることや、専門の資格の存在やキャリアパスの可能性について知っていただけたと思います。今後、人材サービス業界が伸びていくのに伴って、より重要性の高まってくる職種でもあります。
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以下の記事では、派遣業の基礎について解説しています。ぜひご一読ください。
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参考サイト
厚生労働省:キャリア形成促進助成金(職業能力評価推進給付金)対象キャリア・コンサルタント能力評価試験について
キャリアコンサルティング技能士会(運営:特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会 キャリアコンサルティング技能士会事務局)
国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト | 国家資格 キャリアコンサルタント試験