【2017年最新版】職業安定法ピンポイント解説【労働者供給】

職安法って何?労働者供給事業と派遣はどう違うの?
職業安定法の特に重要な条文をピックアップし、わかりやすく解説します。

職業安定法とは?

職業安定法を大辞林で見てみると、「各人に職業に就く機会を与えることによって産業に必要な労働力を供給し、職業の安定と経済の興隆を図ることを目的とする法律」とあります。
つまり、①労働者を募集し、②職業を紹介すること(=労働力の供給)について定めた法律ということになります。

「職業を紹介」とあるように、職業安定法は特に人材紹介業に着眼した法律であるといえます。
また、「労働者供給」(≠労働力の供給)は禁止されており、これは人材派遣業に密接にかかわってくる問題といえます。

このように、職業安定法とは人材ビジネスに関する基本的な法律という見方ができます。

職業安定法の基本

誰でも、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができます。(第2条)
また、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることはありません。(第3条)

この法律において「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立を斡旋することをいいます。(第4条)

この法律における「労働者供給」には、労働者派遣法に定める労働者派遣を含めません。(第4条第6項)
※労働者派遣法については「【2017最新版】労働者派遣法徹底解説」をご覧ください。

第32条 許可の欠格事由

厚生労働大臣は、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第三十条第一項の許可をしてはならない。
一  禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定その他労働に関する法律の規定であつて命令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条 (第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条 の規定を除く。)により、若しくは刑法 (明治四十年法律第四十五号)第二百四条 、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法 (昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項 の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
二  成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
三  第三十二条の九第一項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により職業紹介事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者
四  営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前三号又は次号のいずれかに該当するもの
五  法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

有料の職業紹介業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。(第30条)
この条文では、厚生労働大臣が許可を出してはいけないケースを上げています。
詳細は以下の通りです。

禁固以上の刑に処され、その執行を終えてから5年を経過しない者

以下の罪により罰金の刑に処され、その執行を終えてから5年を経過しない者

 ・職業安定法、労働基準法、労働者派遣法、港湾労働法、建設労働者の雇用の改善等に関する法律、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、林業労働力の確保の促進に関する法律の違反
 ・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反
 ・刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫、背任)の違反
 ・暴力行為等処罰に関する法律の違反
 ・出入国管理及び難民認定法(事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者)

成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

厚生労働大臣に職業紹介事業の許可を取り消されて5年を経過しない者

営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前3号又は次号のいずれかに該当するもの

法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

第40条 報酬の供与の禁止

労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

職業安定法では、文書募集(求人募集広告)や直接募集(文書募集以外の方法)は自由ですが、第三者に委託する募集については許可制を取っています。
委託募集は「直接募集」に属しますが、この条文ではこの「直接募集」についての規制が以下のように定められています。
「労働者の募集を行う者(雇用者)が、募集業務に重視させている被用者に対して賃金以外の報酬を支払ってはならない」
つまり、求人募集をしている会社に勤め、その採用募集に従事している社員に対して賃金
(給与)とは別に報酬を支払ってはならないということです。太字のところがポイントなのですが、給与として払う分には全く問題ないということになります。
(人材紹介会社に委託している場合も、規定の報酬以外の報酬を与えることはできません。)

第44条 労働者供給事業の禁止

何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。

この条文の解説の前に、次条(第45条)を見てみましょう。

第45条 労働供給事業の許可

労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

つまり、「厚生労働大臣許可を受けた労働組合による無料の労働者供給」以外の労働者供給事業を行ったり、利用したりしてはいけないというものです。

労働者供給事業とは、「供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させること」(職業安定法第4条第6項)ですが、人材派遣業は労働者供給事業ではないのでしょうか。

<コラム>人材派遣業の仕組み

派遣社員は「派遣会社」と雇用契約を結び、「派遣先企業」に労働を提供します。そのため、業務の指示などは「派遣先企業」から受けますが、給与は「派遣会社」が支払います。

この記事を最初からお読みになられている方はもうお分かりかと存じますが、人材派遣業は労働者供給業には含めません。(職業安定法第4条第6項)

総括

職業安定法は労働者を保護するための法律であり、また規制の対象が労働市場に深くかかわっていることから、人材ビジネスを営む方にとっては理解が必須のものであるといえます。
法律の条文というと、堅苦しい文章でかつ文量が多く、読む気がなくなってしまうかもしれません。
しかし、よくよく読めば対して難しいことは書いて無く、むしろ当然のことが書いてあることが多いのです。
経営者の方のみならず、社員の方やパート・アルバイトの方にも理解が必要な法律ですので、今一度熟読いただき、ご理解いただければと思います。

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参考サイト

Q1.職業安定法はどのようなことを定めた法律なのですか。|労働政策研究・研修機構(JILPT)

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