人材サービス業が取り組むべきインサイドセールスの手法とは?

新型コロナウイルスに罹患された方、体調を崩されている方、影響を受けられている方へ、謹んでお見舞い申し上げます。

船井総合研究所、人材ビジネス支援部です。
今回は人材紹介業・人材派遣業・求人媒体業などの人材サービス業を経営されている方・または営業部門の統括をされている方向けの記事です。
一口にインサイドセールスといっても、営業プロセスへの組み込み方によってその手法は3つのモデルに分類されます。
今回のコラムではそれぞれのモデルの解説を通じて、人材サービス業の各業態にとって取り組むべきモデルはどれなのかを明らかにします。

 

 

1.インサイドセールスの3つのモデル

1-1.インサイドセールスとは(前コラムの振り返り)

まずは、インサイドセールスのおさらいから初めていきます。
詳しい内容についてはこちらのコラム(https://www.jinzai-business.com/424)を参考にしてください。
 
インサイドセールスとは、電話やメールなどを用いた内勤型の営業手法を指します。
1950年代にアメリカで導入された電話営業がその起源であるとされ、国土の広さによって1件1件直接営業するのに多くの時間がかかってしまう事から、効率的な営業手法が求められ導入されました。
フィールドセールス、いわゆる外勤型の営業手法と比較すると、「アポイント」「移動時間」「商談時間」という3点で営業にかかる時間を節約することが出来るため、効率的な営業手法であるといえます。
 
このインサイドセールスは今後人材サービス業において、新型コロナウイルスの蔓延によってフィールドセールスが困難になると見込まれること、業界として効率的な営業手法が求められていること、という外部・内部の要因から求められていくと考えられます。
 
では、実際にインサイドセールスを導入するにあたって、どのような手法があるのでしょうか。
 

1-2.インサイドセールスの3つのモデル

 結論から申し上げると、
インサイドセールスの導入方法は「営業プロセスにどのように組み込まれるか」という違いによって、
以下3つのモデルに分類できます。
 

  • 1.フィールドセールスを補助する形での導入
  • 2.フィールドセールスと共存する形での導入
  • 3.フィールドセールスを代替する形での導入

 
という3モデルです。
 
図表 全体概要
※1: CS…カスタマーサクセスの略称。顧客が商品・サービスを購入後に行うアフターサービスのことを指します。
 
では、それぞれのモデルについて、具体的な内容を説明していきます。

 

2.モデル①:補助型インサイドセールス

2-1.概要

 補助型インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得したリード(見込み客)の育成・抽出だけをインサイドセールスが担うというモデルとなります。抽出とは、リードの中から興味・関心が強い見込み顧客を選び出すことであり、具体的な業務としては顧客リストの作成などが挙げられます。従来型の営業プロセスにてフィールドセールスが担当していたリードの育成・抽出をインサイドセールスが補助する導入モデルです。
 

2-2.メリット

 このモデルのメリットは、「フィールドセールスの受注率向上」という点にあります。
 
 インサイドセールスがマーケティング部門からリードを引き継ぐことで、より確度の高いリードを育成・抽出してフィールドセールスに渡すことが出来ます。また、インサイドセールスの業務がリードの育成と抽出に特化していることから、より多くのリードに対応することが出来ます。つまり、より多くの確度の高いリードを創出しフィールドセールスに渡すことが出来るということです。このように、フィールドセールスに確度の高いリードが渡ることによって、その受注率は大きく向上します。
 
図表 補助型インサイドセールスのまとめ 

 

3.モデル②:共存型インサイドセールス

3-1.概要

 共存型インサイドセールスは、マーケティングが獲得したリードの育成・抽出からアポイント取得まで、また受注後のアフターサービスであるCS(カスタマーサクセス)をインサイドセールスが担うモデルとなります。従来型の営業プロセスにてフィールドセールスが担当していたリードの育成・抽出からアポイントの取得までをインサイドセールスが担当することから、フィールドセールスと共存する形での導入モデルとなります。
 

3-2.メリット

 共存型インサイドセールスのメリットは、「受注数を最大化することが出来る」という点です。
 
 なぜ、このモデルは受注数を最大化することが出来るのか。
それは2点の理由があります。
 

  • 1.リードを無駄なく商談に進めることが出来る(リードの最大化)
  • 2.フィールドセールスが効率的に商談することが出来る(営業件数の増加・受注率の向上)

  
1点目について、このモデルの場合、リードへの対応はインサイドセールスが行うことになります。インサイドセールスはその効率性のため、多くのリードと接触することが出来ます。その中で、既に確度の高いリードを抽出してフィールドセールスに渡し、確度が高くないリードに関してはメールなどのやり取りによって確度が高まるまで育成します。このように、営業効率の良いインサイドセールスがリードの育成・抽出に注力することでリードの数を最大化できます。
 
2点目について、まずインサイドセールスがリードの育成・抽出を担当することで、フィールドセールスはリードやアポイントのためにかけていた時間を営業に回すことが出来ます。そのため、フィールドセールスが取り組むことが出来る営業件数が増加します。また、インサイドセールスが創出した確度の高いリードに専念して営業するため、受注率が上がります。従って、営業件数が増加・受注率が向上することにより、フィールドセールスが効率的に商談できるようになるということが言えます。
 
図表 共存型インサイドセールスのまとめ

 

4.モデル③:代替型インサイドセールス

4-1.概要

 代替型インサイドセールスは、マーケティングが獲得したリードの育成・抽出から受注・その後のアフターフォローにかけてすべての営業プロセスをインサイドセールスが担うモデルとなります。本来の営業プロセスであればフィールドセールスが担当してきた領域に、インサイドセールスを代替として導入するというモデルとなります。
 

4-2.メリット

 代替型インサイドセールスのメリットは「営業にかかるコストが低い」 という点にあります。
 
 なぜなら、営業プロセスのほぼ全工程をインサイドセールスで行うことから、
インサイドセールスの強みである効率の良さを
 

  • 1.金銭面
  • 2.時間面

 
の2点で享受できるためです。
 
例えば、東京に本社を持つ企業が大阪に営業するというケースで考えてみましょう。
 
1.金銭的コスト
 フィールドセールスの場合にかかるコストの1つとして、訪問時の交通費があります。東京から大阪までを新幹線で移動したとすると1度の営業で片道15,000円、往復30,000円の費用が掛かります。従って、商談をインサイドセールスで行うことによって、1回の営業当たり30,000円のコストを削減することが出来るということになります。
 
2.時間的コスト
 また、フィールドセールスの場合、移動にかかる時間もコストと考えることが出来ます。東京から大阪へは片道でおよそ2時間半かかるため、インサイドセールスによる商談を導入することで往復5時間分の時間的コストを節約することが出来ます。
 
 以上のように、営業プロセスのほぼ全工程をインサイドセールスで行う代替型モデルには、営業にかかるコストを削減できるというメリットがあります。
 
図表 代替型インサイドセールスのまとめ

 

5.人材サービス業が取り組むべきモデルとは?

 インサイドセールスの導入方法について、3つのモデルをまとめてきました。
最後に、「人材紹介会社」「人材派遣会社」「求人媒体会社」という人材サービス業においては、
どのモデルを導入するべきなのかということを検討していきます。
  
 結論から申し上げますと、3業態共通して積極的に「代替型インサイドセールス」導入するべきだと考えます。
 
 なぜなら、各業態とも代替型インサイドセールスが適しているためです。
以下では、それぞれについて詳しく説明いたします。
 
 

5-1.人材紹介会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由

 
 人材紹介会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由は、収益体制が成功報酬型であるためです。
 成功報酬型とは、紹介した求職者が求人企業に就職して初めて手数料が生じるということです。一般的に、1人求職者を紹介した場合、人材紹介会社は求職者の年収の35%を手数料として求人企業から頂くことが出来ます。国税局によると日本の平均年収は約370万円であるので、1人当たり130万円という金額が人材紹介会社に対する手数料ということになります。
 このような成功報酬型の収益体制の場合、営業にかかるコストはできる限り少なくする必要があります。なぜなら、紹介した求職者の就職が確定しない限り、収益が得られないためです。しかし、求人会社にとっては1人採用することによって、求職者本人への給与である370万円に加えて手数料の130万円、合計500万円という費用が発生します。そのため、求人会社は意思決定するために多くの時間をかけて検討することになります。以上を踏まえると、人材紹介会社にとっては営業コストを抑えなければならない中で、営業する回数は増やす必要がある、ということになります。
 従って、成功報酬型の収益体制の中で収益を上げるため、営業のコストが削減できる代替型インサイドセールスが適しているということになります。
 

5-2.人材派遣会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由

 
 人材派遣会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由は、1件当たりの収益が少ないためです。人材派遣会社は1人の登録人員を求人会社に派遣するごとに収益を得ることが出来ます。例えば、時給1,500円の派遣社員を1か月(営業日数20日)フルタイム(8時間)雇用する場合、人材派遣会社へのマージン率を30%とすると、求人会社から人材派遣会社に支払われる金額は7.2万円となります。
 1件派遣することによる収益が7.2万円と比較的安価であるため、人材派遣会社が収益を上げるためには、人材紹介会社と同様1件あたりにかける営業コストを低くする必要があります。
従って人材派遣会社の場合、1件あたりの単価が低い中で利益を上げるために代替型インサイドセールスが適しているということになります。なお人材派遣の場合、訪問営業の文化が根強くあるので、顧客の意思決定における「比較・検討まで」をインサイドセールス、「受注」をフィールドセールスによる共存型を選択するなど、柔軟な姿勢が求められます。

 

5-3.求人媒体会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由

 
 求人媒体会社において代替型インサイドセールスに取り組むべき理由は、サブスクリプション型の収益体制であるためです。
 サブスクリプション型とは、利用する期間に応じて使用料が発生するという料金体制を指します。求人媒体会社の場合、求人企業が所定の金額を支払うことで、2週間や1か月といった決められた期間において求人サイトに自由に求人を掲載することが出来る、などといったサービスを提供しています。
 サブスクリプション型の収益体制では、1件当たりの売り上げに上限があります。例えば、5万円で2週間の掲載期間を付与するというサービスの場合、そのサービスの利用者ごとに5万円の売り上げが発生します。従って、5万円以下の営業コストでその契約を獲得すること、しいて言えばより安い営業コストで契約を取ることが利益を出すために必要となります。
従って求人媒体企業の場合、決められた売り上げ上限の中で利益を出すために、営業のコストが削減できる代替型インサイドセールスが適しているということになります。なおサブスクリプション型のビジネスモデルは、顧客に契約期間を延長していただくため、受注後も徹底した顧客志向を持ち顧客満足度を高めていくことが必要です。顧客満足度を高めるためには、電話でアフターフォローを実施するなどインサイドセールスによって継続的な対応を行うことが有効となります。
 

6.まとめ

 今回は「人材紹介会社」「人材派遣会社」「求人媒体会社」というそれぞれの人材サービス業において、どのようにインサイドセールスを導入すべきかということについてまとめてきました。
 
 結果としては、人材紹介会社・人材派遣会社・求人媒体会社というすべての業態に関して、積極的に「代替型インサイドセールス」というモデルに取り組むべきです。
 
「代替型インサイドセールスモデルに取り組むべきであるということは分かったが、導入の仕方がわからない」
という方がいらっしゃいましたら、弊社の無料経営相談をご活用くださいませ。
 

<コラムに関するお問合せ・ご相談はこちらから>
https://funaisoken.ne.jp/jinzai-business/inquiry.html

 
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