【人材派遣の業界再編】コロナ禍で起こる可能性が高い業界再編の動向とは?

新型コロナの長期化に備えた対応、それと並行しての売上の回復に向けた活動など、どのような舵取りをするか難しい状況が続いています。本記事では、コロナの影響に伴う人材派遣業界の行き先に向けて、人材派遣会社の経営者が取るべき事業戦略について分かりやすく解説します。

 

1.コロナショックが雇用に与える影響

新型コロナウイルスの影響により、日本のインバウンド消費・宿泊・レジャー・飲食など、人的接触が生じる産業の雇用・就業に甚大な被害を及ぼし出始めています。総務省が発表した4月の完全失業率は前月比0.1ポイント上昇の2.6%で、3か月連続で悪化となりました。

 

 

2020年4月の休業者数は過去最多の597万人となり、前年同月比で420万人増えて、リーマンショック直後の休業者数は100万人程度と比べ異例の伸び幅になっています。一つ大きな理由は企業が自らの意思で雇用を維持しようと努めているからであると考えています。

 

しかし、コロナの長期化による、今後耐えきれない企業や産業が徐々に増えていき、リーマンショック時以上に雇用や労働に悪影響が広がると予想されます。現に2021年10月最新の完全失業率は2.7%と、2020年4月と比べても、0.1ポイントほど「悪化」しています。

 

 

2.コロナ禍で生じた派遣問題

総務省の調査により、2020年4月分の正規の職員・従業員数は前年同月に比べ63万人増加となり、7か月連続で増加しています。一方で、非正規の職員・従業員数が 97 万人の大幅減となっています。業界別にみると、製造業(▲34 万人)のほか、宿泊業・飲食サービス業(▲30 万人)、卸売業・小売業(▲22 万人)、生活関連サービス業・娯楽業(▲12 万人)の雇用が大きく落ち込んでいます。厚生労働省によると、多くの非正規従業員は、6月に入ってから雇い止めや解雇となった人数は2万人を超えると見込まれています。

 

その中で、派遣先の事業で最も多いの「製造業」は再び大量の派遣切りが発生する恐れがあります。自動車関連の業界をはじめ、3ヶ月契約で期間工を雇っているのが一般的で、もうすぐ6月末で更新のタイミングを迎えます。ところがコロナは、終わりが見えないです。終息したように見えても、第2波、第3波のリスクも高まっています。感染の終息時期が不透明な中、生産活動の正常化する見込みはまだ立たない現状で、派遣の契約を更新しないケースも出てくる可能性が非常に高いです。

 

3.人材派遣会社は未来に向けて取るべき対策とは?

こうした事態に対し、人材派遣会社は専門業種や高スキル人材の派遣の強化に注力し、または人材派遣以外の新規事業の開発が必要だと感じています。このように既存事業と新規事業のシナジー効果を生み出すことによって、アフターコロナ時代でも事業全体がより活性化されることができます。

まずは、既存の派遣事業を成長し続けさせていくための戦略をご紹介します。

 

(1) 伸びている業種を目利きする

コロナ禍により採用活動が控える企業が多くありますが、この状況でも伸びている産業もあります。具体的には、医療や、生活必需品を取り扱う物流・運輸業界、また、電子商取引(EC)サイトや通信関連などの業界では、緊急事態宣言解除後に採用が活発な業種や企業が存在しています。

派遣業界では一時的に景況や移動の制限を受け採用の動きは鈍化していますが、コロナの長期化により、在宅勤務環境への移行の流れを受けて通信のニーズが高まっている事に加え、即戦力になるインフラエンジニア、セキュリティエンジニアなどのIT人材ニーズが高まっています。これから伸びる業種を中心に人材を派遣すると、このコロナショックを乗り越えられるビックチャンスになるでしょう。

 

 

(2)人材シェアリングを通じて人材を活用する

ウィズコロナの局面においては、宿泊・飲食・娯楽サービスなど個人向けサービス分野は人手が大幅に余剰となる一方、食品スーパーや宅配デリバリー、外国人技能実習生が入ってこなくなった農業など、人手不足が一層加速しています。そこで、コロナの影響により、一時的に雇用過剰となっている産業から人手不足が生じている産業・企業へ、人材「シェアリング」という仕組みを提案いたします。従業員をレンタルという形式が促進されれば、雇用維持が難しくなっている企業が将来の事業再開に備えて人材を確保でき、また、アフターコロナに向け産業・事業の再生と活性化が進むきっかけになります。

 

続いて、派遣事業以外の新規事業を2つご紹介します。

(1) アウトソーシング事業(業務請負)

コロナの影響を受け、多くの企業は経営資源の最適化、または急な業務や対応が求められています。そこで、一部の業務を外部委託に切り替え、アウトソーシングを選択する企業はどんどん増えていくでしょう。企業にとって、ノンコア業務を外部委託すると、生産性の低い業務をコスト削減し、外部の専門知識を活用することによって仕事の品質が高くなります。人材派遣会社は自社の専門スキルを身に付けた人材を、業務によって派遣もしくはアウトソーシングを柔軟に対応することがオススメです。

 

(2) アウトプレースメント事業

新型コロナの感染拡大の影響で、休業を実施・検討する会社が増加し、業績悪化によるリストラが始まる企業が増えてきます。こういう時期こそ、アウトプレースメント事業に参入する一番良いタイミングであると思います。「アウトプレースメント」とは、リストラを進めようとする企業の依頼を受けて、対象の従業員の再就職を支援するビジネスです。企業と従業員間のトラブルを避けることを目的とし、人員整理を行う企業の大多数が外部に委託しています。委託を受けるアウトプレースメント専門の企業は、求職者に対して履歴書や職務経歴書の書き方、面接に向けのアドバイスなどを提供します。また、その対象となる従業員が再就職する際に発生する一連の費用を企業側が負担します。事業内容が似通っているので人材派遣会社からの参入がオススメです。

 

4.最後に

この厳しい状況の中、アフターコロナ時代でも飛躍的な成長を遂げるためにも、既存の派遣事業の維持・強化と新規事業の開拓を、生き抜く手段として検討してみてはいかがでしょうか。

 

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参考サイト
https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html
総務省統計局「労働力調査」
https://www.jassa.or.jp/employee/enquete/200115web-enquete_press.pdf
一般社団法人 日本人材派遣協会 「派遣社員WEBアンケート調査」

 

 

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