「他の人材サービス会社と差別化をはかりたいけど方法がわからない…」とお困りの会社、かつ利用され続ける人材事業を行いたい地域の中小企業向けの記事です。顧客満足度に大きな影響を与える人材コーディネーターの育成方法について、船井総研人材ビジネス支援部が分かりやすく詳細に解説しています。企業ブランディングを行い、市場において自社のポジションを獲得したいという会社は必見の記事です。この機会にぜひお読みくださいませ。
1.人材業界の動向
現在、少子高齢化の影響によって生産年齢人口が減少しており、中小企業を中心に労働力不足が問題となっています。
(出典)厚生労働省「一般職業紹介状況について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00034.html
*有効求人倍率…求職者1人に対して何人分の求人があったかを示す指標
上記のグラフをご覧ください。近年、有効求人倍率は常に1倍を超えています。令和2年3月の有効求人倍率は1.39倍となっており、100人に対して139人分の求人があるということを示しています。
つまり、企業は業界職種問わず人手不足に悩まされており、労働力を確保することが難しくなっています。企業は人手を求めているため、人材サービスの需要は増加しています。
1-1.人材サービス会社の役割
人材紹介や人材派遣等の人材サービス事業を行っている会社は、労働力を求める企業と仕事を探している求職者のマッチングを行っています。
・人材派遣
人材派遣会社は自社に登録している人の中から、求められているスキルを持つ人材を企業に派遣します。
・人材紹介
人材紹介会社は、人材を求めている企業に適切な求職者を紹介します。
《人材サービス会社に企業が期待すること》
・採用にかかるコスト(時間、お金)を削減したい
・自社に合う人材を採用したい
《人材サービス会社に求職者が期待すること》
・自分に適した職を見つけたい
・自分の今後のキャリアに対するアドバイスがほしい
どのような人材を求めているか、どのような職を探しているのか等、企業と求職者へヒアリングを行い、双方にとって最適なマッチングをおこなっていきます。
2.人材コーディネーターとは
人材コーディネーターは、主に人材派遣会社・紹介会社等の人材サービス会社で働いています。「このような人材が欲しい」と考えている企業と、「このような職場で働きたい」と考えている求職者の間でヒアリングを行い、要望をマッチングさせるお仕事をしています。
企業から案件を獲得し、求職者の適性を見抜き、案件に適した人材を企業に紹介していきます。人材コーディネーターになるための資格は不要のため、未経験者でも働くことができるのが特徴です。
2-1.キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルティングは個人にとって望ましい職業選択、職業生活設計、職業能力の開発・向上に関する相談を受け、指導を行っていく支援のプロセスのことです。
キャリアコンサルタントはただ求職者と企業のマッチングを考え、転職のサポートをするだけでなく、個人にとってよりよい人生を描くための成長の支援を行います。
人材コーディネーターとの違いは、2016年4月より国家資格が必要である点です。
2-2.人材コーディネーターの業務
《その他の業務》
①~④が主な人材コーディネート業務です。上記以外にも書類作成や求人広告の作成等の事務業務も行います。
3.地域の人材サービス会社の課題
少子高齢化による人手不足の影響で、人材サービス会社の需要が増加しており、競合も多く存在します。今後人材サービス会社が生き残っていくためには、ブランディングを行っていく必要があるでしょう。
3-1.ブランディングとは
ブランドとは消費者がサービスに対して持つ共通のイメージのことです。消費者にブランドを認知してもらい、市場における自社ポジションを確立させる行動をブランディングといいます。
中小企業にとって重要なことは、地域の中で「〇〇といえば△△社!」と消費者に最も認知されている会社、信頼されている会社になることです。
理由としては、地域で最も認知されている地域一番店になることができれば、不況になってもサービスを利用され続ける、成長が持続し生き残り続けられる会社に近づけることができるためです。
サービスを利用され続ける地域一番店となるため、競合他社と差別化ができる地域のリアルな領域に踏み込んだブランディングを行いましょう。
3-2.人材サービス会社におけるブランディング
顧客満足とは、企業が提供するサービスによって、顧客に満足していただくことを目的とした概念です。顧客志向を徹底し、顧客満足を追求しましょう。
消費者は満足体験からサービスを記憶し、体験を何度も繰り返すことによって、企業のブランドが成立していきます。
つまり、ブランディングを行うにあたって、顧客満足が必要不可欠となります。
コストやサービスで差別化を図ることは難しいため、サービスに付加価値をつけることによって、利用者の満足度を上げていきましょう。
求職者のニーズを把握し、求職者自身の気が付いていないニーズを提示することによって、顧客の期待を超えるサービスを提供することができます。
《顧客満足度アップによって期待できる効果》
・繰り返しサービスを利用してくれる
・競合他社に流れない
・周りの人にサービスを広めてくれる
人材サービス業は形がある商品を売っているわけではないため、求職者と一番かかわる人材コーディネーターが自社のイメージを作ります。つまり、人材コーディネーターのサービスがブランド価値に大きく影響するということです。自社のコンセプトを明確化させ、社員の行動指針を定めることでブランディングを行っていきましょう。
4.人材コーディネーター育成のポイント
人材コーディネーターは、求職者の希望をヒアリングしつつ、企業とマッチングさせるお仕事を行っているとお伝えしました。人材コーディネーターは、求職者にとって人材会社の顔であり、人材コーディネーターの求職者への対応が企業のイメージとなります。
自社へどのような共通認識を持ってもらいたいかを明確化させることによって、人材コーディネーターの行動指針を定めましょう。
単に求職者に対して就職先を紹介していくだけではなく、個人に合わせたサービスが求められています。個が尊重される今の時代の人材サービス会社こそ個を中心としたサービスの提供を考えていきましょう。
《求められる人材コーディネーター像》
・やるべき事をしっかりとやる
第一に求職者と企業に対して果たすべき責任を、継続的にきっちりと果たすことが信頼を確立することに繋がります。
・紹介先企業・求職者について詳しく知っている
求職者と企業の双方にとって最適な提案をしなければなりません。両者のことをよく知っているということが、よりよい提案に繋がります。
・求職者の声を正確に把握する
期待以上の行動をするためには、求職者の声を丁寧にくみ取ることが重要です。アンケート等を行い、求職者がサービスに対してどんな印象を抱いているか把握することで改善することや、今後どういった行動を取るべきかを考えていきましょう。
・目の前の求職者に寄り添い、共にキャリアを考える
単に企業を紹介するだけではなく、求職者のキャリアビジョンを共に考え、求職者にとって成長の機会となるような支援を行いましょう。
5.まとめ
今回ご紹介したように人材サービスの需要が高まるにつれ、競合他社が増加しています。中小企業が今後生き残るためには、他社と差別化をはかり地域一番店になることが必須です。
人材サービス会社において顧客満足度へ大きく影響するのは求職者にとって一番身近な人材コーディネーターです。
人材コーディネーターの育成のポイントを抑えることによって、自社の分ランディングを行い、顧客にとって満足度の高いサービスを提供していきましょう。
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6.参考記事
人材派遣会社の仕事とは?【人材コーディネーター・キャリアコンサルタント編】
https://www.jinzai-business.com/28#content_451_0_0