【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part2【36協定】

36(サブロク)協定とは?法定労働時間は何時間?休業手当はいくら?
労働基準法で特に重要な条文をピックアップし、わかりやすく解説します。


労働基準法とは?

労働基準法は、憲法25条と27条に基づき、労働者の権利を守るために制定された法律です。(第1条)
労働者と使用者(企業)は対等な立場であり、お互いに就業規則や労働契約を守る義務があります。(第2条)
労働基準法における労働者とは、職業の種類を問わず、事業(事務)所に使用され、賃金を支払われる者をいいます。(第9条)
労働基準法における賃金とは、賃金、給料、手当、賞与、その他の名称の如何を問わず、労働の対象として使用者(企業)が労働者に支払うすべてのものを指します。(第11条)

労働基準法の基本は以上の条文になります。以下では、第24条~第36条までの特に重要な条文をピックアップし、解説していきます。

なお、労働基準法の条文全体における本記事の位置づけは以下のようになっています。

第一章 総則
第二章 労働契約
第三章 賃金
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
第五章 安全及び衛生
第六章 年少者
第六章の二 妊産婦等
第七章 技能者の養成
第八章 災害補償
第九章 就業規則
第十章 寄宿舎
第十一章 監督機関
第十二章 雑則
第十三章 罰則
附則

第24条 賃金の支払

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
○2  賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

この条文の内容は、俗に「賃金支払いの5原則」と呼ばれています。

1. 通貨支払い
2. 全額支払い
3. 毎月一回以上
4. 一定期日払い
5. 直接払い

第25条 非常時払

使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

労働者に非常事態(出産、疾病、災害、結婚、死亡、その他やむを得ない事情で1週間以上帰郷する場合)が生じ、これに充てるための費用として賃金の前払いを労働者が請求した場合、使用者(企業)は支払いの義務が生じます。
なお、先払いの対象となるのは、労働者がそれまでに働き、まだ支払われていない分の賃金です。

第26条 休業手当

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

使用者(企業)の都合で、本来その日に労働するはずだった労働者を休ませた場合、休業させた日について平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務が生じます。

第27条 出来高払い制の保障給

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

一定額とは、通常得られるであろう賃金と遜色ない程度の金額です。

第32条 労働時間

使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
○2  使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

一般的によく知られている内容ですね。1日8時間の勤務時間で、週5日間の勤務が一般的な企業のモデルとなるのも、この条文が根拠になっています。

安全衛生教育などに関しては、使用者(企業)の責任において実施しなければならないものであるため、所定労働時間内に行うことを原則としています。((昭四七・九・一八 基発六〇二号))

第33条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等

災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
○2  前項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。
○3  公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。

行政官庁(労働基準監督署長)の許可があれば、災害時による臨時の時間外労働が認められます。許可に際して、事後の届出も可能ですが、この場合その時間外労働が不適当だと行政官庁が認めた場合、その時間に相当する休憩や休日を命じられる場合があります。

なお、許可基準は以下の通りです。(昭二二・九・一三 発基一七号、昭二六・一〇・一一 基発六九六号)
単なる業務の繁忙その他これに準ずる経営上の必要は認めない
急病、ボイラーの破裂その他人命又は公益を保護するための必要は認める
事業の運営を不可能ならしめる様な突発的な機械の修理は認めるが、通常予見される部分的な修理、定期的な手入は認めない
電圧低下により保安等の必要がある場合は認める

第34条 休憩

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
○2  前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
○3  使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労働時間によって、以下の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません。

1. 労働時間が6時間を超える場合:45分以上
2. 労働時間が8時間を超える場合:1時間以上

電話受けなどの手待時間は労働時間に含め、休憩時間にはなりません。
また、原則として労働時間の途中に自由に使える時間として与える必要があり、始業直後・終業間際の休憩時間は認められません。

なお、「一斉休憩」に関しては、近年の労働環境の実態から鑑みてその必要性が無くなってきていることから、労使協定を締結することで適用除外とすることができます。

第35条 休日

使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
○2  前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

週休は最低1日を規定する条文です。
ただし、4週間で4日以上の休日が与えられる場合はその限りではありません。

また、休日とは0時~24時の暦日の休養のことを指します。(昭二三・四・五 基発五三五号)

第36条 時間外及び休日の労働

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。
○2  厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
○3  第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
○4  行政官庁は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

いわゆる「36(サブロク)協定」の条文になります。
労働者に時間外・休日労働を行わせる場合は、労働者の過半数で組織する労働組合か、これがない場合は労働者の過半数を代表する者と書面による協定を結び、これを事前に行政官庁(労働基準監督署長)に届け出る義務があります。

総括

本記事では、労働基準法第24条~第36条までを掲載・解説しました。
第36条以降の解説については、以下の記事をご覧ください。

【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part3」(第37条~第38条)
【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part4」(第39条~第41条)
【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part5」(第56条~第68条)
【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part6」(第75条~第87条)
【2017年最新版】労働基準法ピンポイント解説 Part7」(第89条~第93条)

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参考サイト

法令データ提供システム|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ―労働基準法

情報公開推進局TOP~JOSHRC―労働基準法関係解釈例規

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