2024年のタクシー業界の動向・トレンド・今後について

いつも本Webサイトのコンテンツを閲覧いただきまして、ありがとうございます。株式会社船井総合研究所（船井総研）ワークエンゲージメント支援部交通ビジネス経営研究会です。2024年のタクシー業界の動向・トレンド・今後について解説しています。

タクシー業界：2023年の振り返り

交通・タクシー業界における2023年のトレンドとしては、「アフターコロナで回復する移動需要」と「それに追い付かないタクシー供給」が挙げられます。

東京ハイヤータクシー協会が集計した2023年9月の原価計算対象事業者の輸送実績によりますと、特別区・武三地区の実度1日1車あたり営業収入は新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年同月と比較して、28.4%の増加となりました。（東京交通新聞, 2023年10月30日）

対してそれを運ぶドライバー数はといいますと、未だ減少傾向は続いており、2023年10月の乗務員充足率は、コロナ前2019年同月比で80.1%となっています。

タクシー業界：「ライドシェア時代」の到来が与える影響

2023年、ライドシェア解禁の兆しが政府声明で多く見られましたが、政治的な対立やタクシー業界内の異なる意見もあり、即時の解禁は難しいと考えられます。

この現状に直面するタクシー事業者にとって、ライドシェアの脅威に対処するためには、積極的な人材採用が必要不可欠です。

ライドシェアに頼らない事業基盤を国全体として再興することが重要です。

同時に、タクシー事業者が生き残るためには、既存の営業モデルに加えてライドシェアが進行したとしても残る収益源を開発することが肝要です。

企業開拓をして、B2B契約や企業案件を獲得することは、ライドシェア環境になったとしても残る需要を抑えておくことに他なりません。

また、ライドシェアが解禁された場合、その解禁度合いによってはライドシェアをメイン軸に据えるビジネスモデルも検討可能です。

特に、白ナンバーのドライバーを管理することで、新しい市場を切り拓く道も考えられるでしょう。

2024年のタクシー業界の展望

総じて、2024年はタクシー事業者にとって挑戦の年と言えるでしょう。

ライドシェアの解禁がいつ実現するかは未だ見えない中で、事業者は柔軟性を保ちつつ、新しい戦略を取り入れることが求められています。

成功の鍵は変化への迅速で効果的な対応にあります。

未知の未来にあっても私たちがタクシー事業者として存在し続けられるように、今このタイミングだからこそ動き出すべき時であると考えられます。

タクシー業界：日本版ライドシェアの解禁に向けて

これだけ「ライドシェア」が世間を賑わせているのですから、ライドシェアに向けた変革は間違いなく進むことになると思われます。

これは、道路運送法第一章「総則」（「国土交通大臣は、一般旅客自動車運送事業者の事業について旅客の利便その他公共の福祉を阻害している事実があると認めるときは、一般旅客自動車運送事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる」）の第三十一条六に定められている「旅客の円滑な輸送を確保するための措置を講ずること」に則っています。

また前項における一般旅客の需要に対して供給不足となっているタクシーの供給を補うための施策として、となります。

ただし、道路運送法には国土交通大臣は運送事業者の意思を尊重し、その責務において可能な限り之に準拠する必要があるという旨の記載もされています。

日本におけるライドシェアの解禁に向けてはまず、既存の運送事業者であるタクシー会社を活かした仕組みづくりとなっていくと考えられます。

例えば、下記PHV型のような形式でタクシー会社をライドシェアに絡めた部分解禁のような形が採択されるライドシェアとなることが予想されます。

タクシー業界：ライドシェア時代で必要な動きとは？

「ライドシェア」が台頭する時代、その変化に対抗し業界の牽引力を維持するためには、ライドシェアの解禁を抑えられるだけの動き（守りの戦略）と、ライドシェアが解禁されたとしても生き残っていける力が必要になります。

そして持続的な成長を続けていく動き（攻めの戦略）の両面からアプローチする必要があります。

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