※新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けられた方々へ謹んでお見舞い申し上げます。
人口減少や雇用形態の変化により、企業は多くの働き手を、人々は次のステップとなる企業を求めるようになりました。本記事では、人材紹介会社の採用ターゲット例や設定方法などを記しております。採用に少しでも貢献出来ましたら幸いです。
人材紹介業の営業マン
人材紹介業では主に二種類の営業マンがいます。
・キャリアアドバイザー(CA)
・リクルーティングアドバイザー(RA)
CAは個人(就活生や転職希望者などの求職者)を担当し、RAは法人を担当しています。この二つの職種を分業しているか、あるいは一人が両輪で担っているのかは会社によって異なります。
また、CAは「キャリアコンサルタント」「キャリアカウンセラー」などの名称で、RAは単に「営業」と呼ぶこともあります。
次に、CAとRAの具体的な業務と、求められるスキルをあげていきます。
【CA】業務と求められるスキル
CAは求職者との面談を通して、キャリアビジョン形成のサポートや企業への推薦などを行います。主な業務の流れは以下のようになっています。
<業務>
1.面談前の準備(面談への呼び込み、日程調整)
2.面談
3.求人情報の提示
4.企業への紹介(応募書類・推薦状などの作成)
5.進捗連絡・フォロー(選考の日程調整、面接対策、選考結果の共有)
6.内定後のフォロー
次に求められるスキルについてです。
<求められるスキル>
・信頼関係構築力(傾聴の姿勢、誠実性)
・コミュニケーション能力
・構造化スキル
・マルチタスク能力
・内省力(過度に寄り添いすぎない)
・質問力
・専門性(業界知識、ビジョン設計の助言、転職活動の具体的支援(面接対策など))
特に「マルチタスク能力」については、面談中に話を聴きながら記録し、具体的なアドバイスや質問をするといった場面で求められます。求職者にストレスなく進めていくためには重要なスキルといえます。
また「質問力」についても、企業に推薦するうえで求職者の魅力をさらに引き出し、具体的な人柄やスキルの把握など深い理解につなげる上で重要です。
【RA】業務と求められるスキル
RAは経営者や役員陣、(部署内の採用を検討している)部門責任者、人事担当者などと商談を行い、経営・事業・採用・組織課題などのヒアリングを経て採用や育成のソリューションを提供します。主な業務の流れは以下のようになっています。
<業務>
1.顧客の新規開拓、既存のフォロー
2.テレアポや訪問、商談、課題のヒアリング、ソリューション提案、契約
3.求人票作成
4.社内(CA)共有
5.求職者への選考・内定後フォロー
次に求められるスキルです。
<求められるスキル>
・折衝力、交渉力
・業界や企業の理解
・文章力
・プレゼンテーション能力
・即時処理能力
「折衝力、交渉力」と「業界や企業の理解」はセットで満たすべきスキルです。事前の業界や企業の調査をし、市場動向・企業の経営方針などを理解しておくことで、求めている人材の仮設立てや、他サービスの提案を併せて行うことができます。
また「文章力」に関して、どれほどRA自身が魅力的な求人と感じても求職者に伝わらなければ意味がありません。
採用ターゲットを設定する必要性と方法
それでは次に、CAとRAを採用するうえで、なぜターゲットを設定する必要があるのか、そしてその方法について触れていきます。- 設定する理由
まず、なぜ人材を採用するうえでターゲットを設定する必要があるのでしょう。その理由は主に以下の二つです。
<理由>
・ミスマッチから早期離職を避けたい
・自社に適した人材が戦力となってほしい
適切なターゲットを設定し、あてはまる人材を獲得できればミスマッチを避けられるだけでなく、自社の戦力となり活躍することができます。
ターゲットの設定方法
では実際どのように採用ターゲットを設定すればよいのでしょうか。簡単に流れをまとめてみました。
<方法>
1.募集背景を知る(なぜ募集するか、何人か、期間はいつまでかなど、自社の把握)
2.どんなスキルや経験が必要かあげる
3.スキルや経験に優先順位をつける(必須>歓迎など)
4.自社の文化や社員に合う性格・考え方をあげる
5.以上をもとに、欲しい人材は現在何をしている方なのかを具体的にする
特に「1.募集背景を知る」では、できれば現場の意見も参考にして、不足しているスキルなどを把握すると明確なターゲット像を描けると思います。
また「5.以上をもとに、欲しい人材は現在何をしている方なのかを具体的にする」では、例えば、”〇〇業界で△△の経験をしている人”といったレベルまで落とし込むことで、広告への打ち出し方などにもより具体性を持たせることができます。
- 設定する理由
採用ターゲット例
以上をもとに、実際に人材紹介会社の採用ターゲット例をあげてみます。
【人材紹介業の営業マン採用ターゲット例】 | ||
CA(キャリアアドバイザー/個人営業) | RA(リクルーティングアドバイザー/法人営業) | |
これまでの
経験・前職 【BtoC業界】 |
【BtoC】
・販売店,飲食などで接客経験のある方(個人(消費者)相手の最低限のマナーが備わっている) ・マルチタスク能力のある方(具体的には、ヒアリングをしながら記録し、情報提供やアドバイスなど別業務を同時に行う) ⇒例:不動産、自動車、電化製品、保険、金融、コールセンターなど |
【BtoC】
・簡潔に文章をまとめることができる方(ヒアリングした内容を求人情報にまとめるため) ⇒例:出版業界、広告など |
これまでの
経験・前職 【BtoB業界】 |
【BtoB】
・プレゼンテーションの経験がある方 ⇒例:広報、営業企画、商品開発、販売促進などの職種に携わっていた人 |
【BtoB】
・プレゼンテーションの経験がある方 ⇒例:広報、営業企画、商品開発、販売促進などの職種に携わっていた人 ・マーケティングの経験がある方(市場の動向や、業界の特徴を基に顧客企業が求める人材像の仮設立てなどに活かせる) ・プロジェクトマネジメント経験のある方(成功報酬型ビジネスモデルのため、商談から採用成功までの期間を意識した提案が求められる) ・管理職の経験がある方(組織管理の目線で提案ができるから) |
これまでの
経験・前職 【共通・その他】 |
【共通・その他】
・人事職を経験していた方(ビジネスの理解、求職者のキャリアビジョン設計のサポート) ・教員職を経験していた方(傾聴力、相談ごとの経験に長けている) ・塾の講師と責任者の両方を経験していた方(個人との面談機会や、ビジョン設計のサポート、ビジネスとして塾の売上や進学実績などを意識して取り組んでいた経験あり) ・ITツールを活用した経験のある方(顧客DBや資料作成など) |
【共通・その他】
・飛び込み営業の経験がある方 ⇒例:保険、新聞販売、メーカーなど ・テレアポの経験がある方 ・ITツールを活用した経験のある方(顧客DBや資料作成など) |
表を見ていただければわかるように、CAはBtoCの業界経験が、RAはBtoBの業界経験が大きく活かせるかと思われます。
実際、採用後に、販売・接客経験などBtoC業界の経験がある方はCAに、法人営業などBtoB業界の経験がある方はRAに配属されることが多いようです。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
人材紹介業の二種類の営業マン(CAとRA)について、業務内容からその採用ターゲットの例に至るまでご紹介させていただきました。
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