【人材派遣会社・人材紹介会社の財務政策・助成金活用】危機的状況の今対策すべきこととは?

 
新型コロナウイルスに罹患された方、体調を崩されている方、影響を受けられている方へ、謹んでお見舞いを申し上げます。コロナショックによって失業率も増加している中、人材サービスの需要は減速しています。こちらの記事では、厳しい状況下でも人材派遣会社が業績をアップさせ続けるための財務政策について解説しております。
「人材派遣事業に不安を覚えている…」「コロナ影響下の対策がわからない…」
このような不安をお持ちの方はぜひこちらの記事を参考に、助成金を有効活用して費用対効果高く安定的に人材募集を行う仕組みづくりをしましょう。

 

1.コロナショックによる企業の危機

新型コロナウイルス感染拡大が続き、令和2年4月16日、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、外出自粛や休業要請が一気に広がりました。
 
その結果、多くの中小企業の売り上げが大幅に減少し、中小企業から金融機関への資金繰り要請が急増しています。
 
資金繰りに懸念を抱いているのは、中小企業に限らず大手企業も同様で、日本経済が停滞・低迷しているといえます。
 
コロナショックによって従業員に対して休業を命じなければならない会社では、一時的な休業や出向、職業訓練などを実施することで、雇用の維持に努める動きがでております。しかし、感染拡大が長期化すれば、雇用調整という手段をとらざるを得なくなります。現に日本国内では、すでに企業の倒産や廃業、雇止め、失業者が増えてきております。
 
求人・求職及び求人倍率の推移
 
(引用)総務省統計局「労働力調査」※2020年2月から5月は季節調整値
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html

 
2020年5月の完全失業者数は198万人で、前年同月に比べ33万人増加しています。
 

1-1.人材派遣会社の現状

人材会社は求職者と求人企業の仲介を行い、売上を得ています。コロナショックによって企業が雇止めを行っているため人材サービスのニーズが減少した結果、人材会社の売上が伸びず、危機的状況となっています。
 
いまだコロナ終息の目途はたっていません。その状況下で、人材会社がいかに業績アップできるかが重要なポイントとなってきます。

 

2.人材派遣会社の財務政策とは

現在、コロナショックによって企業の人材募集ニーズは減速しています。
 
しかし、人手不足の原因は少子高齢化による生産年齢人口減少のため、長期的に考えて人口動態が変化しない限り、企業の人手不足は深刻化していきます。
 

 
(引用)厚生労働省「一般職業紹介状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00037.html

 
近年の有効求人倍率は常に1倍を超えており、求職者よりも人手を求めている企業が多い状態が続いていることがわかります。
 
今は人材派遣会社にとって厳しい状況ですが、強固な財務体質を整えることで、不況を生き残り続けましょう。

 

3.抑えるコスト・投資すべき事項

人材会社が業績を伸ばすには、求人企業により多くの求職者をマッチングさせる必要があるため、求人企業開拓と人材募集を効率的に行うことがポイントとなります。
 

① 求人企業開拓について

求人企業開拓を現在対面で会うことが難しいため、リモートツール導入を検討しましょう。今後不測の事態が起こっても、営業活動が行える環境を整えましょう。
 

② 人材募集について

従来、人材募集は紙媒体や、大手企業の求人ポータルサイトに広告を掲載する方法で行われていました。
 
このような方法で募集を行っているのに「応募がこない」「そもそも求人が見られているのかわからない」とお困りの企業は少なくないと思います。 現在、これらを活用した方法では応募が集まりにくいのが現状です。
 
応募が集まらない原因を解説していきます。
 

 

①紙媒体への広告掲載

現在、紙媒体の発行部数は減少傾向にあり、約8割がインターネットを利用して求職活動を行っています。いくら紙媒体で募集をしても、高齢者などの限られた層にしか情報が届いていない可能性が高く、そもそものリーチ数が少ないのが現状です。

②自社HPの活用

自社企業サイトに求人情報を掲載している場合は、そもそも求職者側から求人・転職サイトとして認識されず、求職者が応募に至る前にサイトから離脱してしまうという傾向があります。
 

③ポータルサイトへの広告掲載

ポータルサイトは、他社の利用率も上昇傾向にあり、1求人あたりのアクセス数が少なくなっているのが現状です。つまり求職者の目に入る機会が少ないということです。
その他にも他社の求人情報との差別化が難しい、運営元の媒体会社によって応募数が左右されてしまうといった理由から応募が集まりにくいです。
 
人材サービス需要の高まりに伴い、競合他社も増加していきます。労働人口が減少している今、企業の人材争奪戦は激化しており、待っているだけの受け身の人材募集では応募は集まらず、採用コストも上がる一方です。
 
人材募集は、他社媒体に頼ることなく、Webマーケティングと自社メディアを活用した攻めのダイレクトリクルーティングを行いましょう。広告費を無駄に消費することなく、効率的に人材募集を行うことが可能となります。

 

4.ダイレクトリクルーティングの方法

ポイント①最適な導線

情報を訴求したいターゲットによって活用すべきWeb媒体は異なります。自社求人メディアにより多くの求職者を誘導するために、ターゲットに応じた最適なWeb媒体を選定し、他社よりも優れた広告の運用を行いましょう。
 

ポイント②魅力的な受け皿

適切な導線によって流入した求職者が他サイトへ流れてしまわないよう、求職者にとって使いやすい自社求人メディアを設計しましょう。
 
以上2つを行うことで、費用対効果高く人材募集を行うことができます。しかし、導線と受け皿を作成するには、コストがかかります。
 
「この厳しい状況下で、投資なんてできない」
 
そのような方に向け、コロナ不況下の今活用できる助成金制度についてまとめています。自社に必要な助成金を検討し、活用していきましょう。

 

5.不況の今活用すべき助成金

<助成金例>

持続化給付金
対象 感染症拡大の営業自粛等により大きな影響を受ける事業者
目的 事業の継続を支え、再起の糧とする
助成額 200万円を超えない範囲で対象月の属する事業年度の直前の事業年度の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いた額
詳細 https://www.jizokuka-kyufu.jp/overview/

 

雇用調整助成金
対象 以下の条件を満たす全ての業種の事業主

①新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
②最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少しているv
③労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

目的 事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図る
助成額 (平均賃金額 × 休業手当等の支払率)× 下記の助成率 (1人1日あたり15,000円が上限)

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主 4/5
解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主 10/10

詳細 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html#abstract

 

IT導入補助金
対象 中小企業・小規模事業者等
目的 自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートする
助成額 補助金の上限額・下限額・補助率

A類型 30万~150万円未満
B類型 150万~450万円
補助率 1/2以下

詳細 https://www.it-hojo.jp/

 

働き方改革推進支援助成金
対象 以下のいずれにも該当する事業主

(1) 労働者災害補償保険の適用事業主であること
(2) 次のいずれかに該当する事業主であること

業種 A.資本または出資額 B.常時雇用する労働者
小売業(飲食店を含む) 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他業種 3億円以下 300人以下

(3) テレワークを新規で導入する事業主であること、又は、テレワークを継続して活用する事業主であること

目的 時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善及び仕事と生活の調和の推進
助成額 対象経費の 合計額 × 補助率

対象経費
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、 備品費、機械装置等購入費、 委託費

補助率

成果目標の達成状況 達成 未達成
補助率 3/4 1/2
1人あたりの上限額 40万円 20万円
1企業あたりの上限額 300万円 200万円
詳細 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html

 


小規模事業持続化補助金
対象 小規模事業者
目的 感染症の影響を乗り越えるために、経営計画を作成して取り組む販路開拓の取組等を支援
助成額 上限額:100万円+50万円(事業再開枠の上乗せが可能)

 

6.まとめ

コロナショックによって多くの企業が危機的状況に置かれています。
 
そのような中で、直近の求人数は減少していますが、人口動態が変わらない限り、企業の人手不足は深刻化していくため、人材サービスの需要はなくなりません。
 
助成金を有効活用し、費用対効果高く安定的に人材募集を行う仕組みをつくり、今のコロナショックの危機的状況、そして今後起こり得る不測の事態にも、業績アップを目指しましょう。
 
「人材派遣事業に不安を覚えている・・・」
「コロナ影響下の対策がわからない・・・」
「どんな助成金があって、どれが活用できるかわからない・・・」
 
船井総研人材ビジネス支援部では、
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