【船井総研】2025年の警備業界の今後・ポイント・展望とは

 

株式会社船井総合研究所(船井総研)ワークエンゲージメント支援部セキュリティー・メンテナンスグループです。こちらは主に警備業界の中小企業経営者・幹部・人事担当者の方々向けの記事です。2025年に迫る警備業界の大きな変化や経営のポイント、そして成功への鍵について解説しています。

また本記事では、人材不足、高齢化、大手との競争激化といった課題を乗り越え、成長を続けるための具体的な対策を、成功事例を交えながら解説しています。ぜひ、貴社の今後の経営戦略の構築にお役立てください。

 

1. 警備業界の現状と2025年に向けた課題

警備業界は、社会の安全を守るという重要な役割を担っており、今後も安定した需要が見込まれます。しかし、同時に様々な課題も抱えています。特に中小企業にとっては、これらの課題を克服し、持続的な成長を実現することが喫緊の課題となっています。

まず、人材不足は警備業界全体にとって深刻な問題です。有効求人倍率は高水準で推移しており、2025年には505万人の人材不足が予測されています。 特に、中小警備会社では警備員数の減少が著しく、採用難はますます深刻化すると予想されます。

また、警備員の高齢化も進んでいます。60歳以上の割合は過去最高を更新しており、高齢化の加速は避けられない状況です。若い世代の警備員を確保することが、今後の業界全体の課題と言えるでしょう。

さらに、大手警備会社によるM&Aが活発化しており、業界の寡占化が進んでいます。 資金力のある大手企業が人材を確保しやすくなる一方で、中小企業はますます苦しい立場に追い込まれる可能性があります。

顧客単価は上昇傾向にあるものの、警備員の給与は上がりにくい状況が続いています。 このような状況下では、利益率の低下や人材流出のリスクが高まります。
2025年には社会保険の適用拡大 も予定されており、中小企業にとっては更なるコスト増加が懸念されます。 社会保険料の負担増によって、離職やスキマバイトへの移行が増加する可能性もあります。

 

2. 2025年の警備業界トレンド予測

2025年に向けて、警備業界では以下のようなトレンドが予測されます。公共工事設計労務単価は、最低賃金の上昇 と人手不足の影響 を受け、今後も高騰を続ける見込みです。 公共工事の受注を目指す企業にとっては、適切な価格設定が重要になります。

高齢者の雇用確保は、65歳以降の雇用確保義務から70歳までの就業機会確保努力義務への移行 により、これまで以上に困難になる可能性があります。 高齢者雇用を維持するためには、労働時間の短縮や作業負担の軽減など、働きやすい環境づくりが求められます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、警備業界においても重要なキーワードです。CRM(顧客管理システム)の導入による顧客管理 や、WEB媒体を活用した採用活動の効率化 など、DX化によって売上向上、閑散期対策、採用強化などを実現する企業が増えていくでしょう。

顧客単価を向上させるためには、サービスの差別化が重要です。従来の警備業務に加えて、付加価値の高いサービスを提供することで、顧客満足度を高め、単価アップにつなげることが求められます。

優秀な人材を確保し、定着率を高めるためには、労働環境の改善が欠かせません。給与や福利厚生の充実だけでなく、働きがいのある職場環境づくりにも力を入れる必要があります。 地域トップクラスの待遇を目指すことで、優秀な人材を獲得しやすくなるでしょう。

 

3. 【警備業界】2025年に向けた具体的な対策

2025年に向けて、中小企業の経営者・幹部・人事担当者は、以下の3つのポイントを重点的に取り組むべきです。

1. 顧客単価・現場条件の改善

顧客単価を向上させ、働きやすい現場を確保するためには、営業戦略の見直しが必要です。
まず、顧客単価の高い現場を積極的に獲得していく必要があります。12時間現場や、長期・固定の現場は、警備員にとって魅力的であり、採用にも有利に働きます。

また、建物内や屋根があるなど、働きやすい現場を確保することも重要です。 警備員の労働環境を改善することで、定着率の向上にもつながります。

顧客管理システム(CRM)を導入し、顧客基盤の分析・対策を行うことも効果的です。 顧客のニーズを把握し、最適なサービスを提供することで、顧客満足度を高め、長期的な取引関係を築くことができます。

2. 福利厚生・給与面の改善

優秀な人材を獲得し、定着率を高めるためには、福利厚生や給与面の改善が不可欠です。
12時間現場などの特殊現場では、給与待遇を相対的に改善する必要があります。 また、日払い、入社祝金、寮、日払い額のUPなど、各種制度を充実させることも重要です。
勤務時間を増やすことによって給与を上げることも、有効な手段です。 地域のトップクラスの待遇を目指すことで、人材獲得競争を優位に進めることができます。

3. フォロー体制強化による離職防止

せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまっては、採用コストの無駄になってしまいます。離職を防止するためには、フォロー体制の強化が重要です。

新規隊員の入社後3ヶ月間は、定期的にフォローを行い、不安や悩みを解消する必要があります。 また、退職防止マニュアルを活用し、退職対応を標準化することで、退職理由を分析し、改善策を講じることができます。

評価制度を導入し、公平に評価することで、従業員のモチベーションを高め、定着率向上につなげることが重要です。 定着率10%台を目標に、従業員が長く働き続けられる環境づくりを目指しましょう。

4. 【警備業界】成功事例から学ぶ

実際に、上記の対策を実践し、成功を収めている企業の事例を紹介します。

A社は、DX化を推進することで、売上UP、顧客単価2000円UP、採用50名以上を実現しました。 長期現場や特殊現場に特化した営業を行い、CRMを導入して顧客管理を徹底したことが成功の要因です。 また、固定現場の採用にも注力し、採用コストの削減にも成功しています。

B社は、全くの異業種から警備業界に参入し、初年度1億円、2期目には1.5億円を達成しました。 地域トップクラスの給与と福利厚生を提供することで、2年間で60名の採用を実現しています。 また、FAXDMやテレアポによる営業活動、入社後3ヶ月間のフォロー体制など、独自の取り組みが功を奏しています。

これらの成功事例からわかることは、顧客単価向上、採用強化、定着率向上には、戦略的な経営と積極的な取り組みが不可欠であるということです。

5. 船井総研のサポート体制

船井総研では、警備業界の中小企業の皆様に向けて、以下のようなサポート体制を提供しています。

1)警備業界の現状分析、課題抽出:
個別企業の現状を分析し、2025年に向けた課題を明確化します。

2)2025年に向けた戦略策定、実行支援:
顧客ターゲット、サービス、価格、営業戦略、採用戦略、組織体制など、具体的な戦略策定を支援し、実行までサポートします。

3)DX化推進、業務効率化:
顧客管理システム導入、業務プロセス自動化など、DX化を支援することで、業務効率化、コスト削減、売上向上を実現します。

4)採用力強化、定着率向上:
採用ターゲットの明確化、求人媒体選定、採用面接指導、教育研修プログラム開発など、採用力強化と定着率向上を支援します。

5)労働環境改善、福利厚生充実:
働き方改革、人事評価制度導入、福利厚生制度設計など、従業員満足度向上、定着率向上のための施策を提案します。

船井総研は、警備業界の豊富な実績とノウハウを活かし、中小企業の皆様の成長を力強くサポートいたします。

6. 結論・まとめ

2025年、警備業界は人材不足の深刻化、高齢化の進展、大手企業による寡占化など、多くの課題に直面します。

しかし、これらの課題を克服し、成長を続けるためには、中小企業ならではの強みを活かした戦略が必要です。

顧客単価の向上、採用難の克服、従業員の定着率向上を実現するためには、顧客ニーズを捉えたサービス提供、働きがいのある職場環境づくり、そして、DX化による業務効率化が重要です。

船井総研は、警備業界の中小企業の皆様が、2025年以降も持続的な成長を実現できるよう、全力で支援いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

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