【介護業界等「人手不足」業界向け】人材紹介事業と採用活動の融合?エージェント型リクルーティングとは

多様な働き方の浸透で、人材の流動性が増した現代。ニーズが増加している”人材紹介”と、人手不足を解消に向けた”自社の採用活動”を融合させた新しい取り組み、「エージェント型リクルーティング」について解説いたします。

 

1.採用の現状と人材紹介事業の市場規模

エージェント型リクルーティングとは何かといった本題に入る前に、昨今の採用事情・人材紹介事業の市場規模を見ていきます。

採用の現状

まずは昨今の採用について見ていきます。

下図は日本の有効求人倍率を表しています。
(参考:「一般職業紹介状況」(厚生労働省))

2008年に起きたリーマンショックで一時期は0.5倍を下回りました。
つまり、100人の求職者が50件の求人を取り合うという状況でした。

それから順調に経済が回復し、直近のピークは2019年1~4月の1.63倍でした。
現在はコロナウィルスの影響で新しい人材を求めていない企業も多く、1.20倍まで下がっています。
しかし事態が収束し景気が回復したら、再び人手不足が顕著となり有効求人倍率も上昇するでしょう。

その大きな理由が深刻な少子高齢化です。

下図は、日本の高齢化の推移と将来推計人口を表しています。
(参考:「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(人口問題研究所))
この図から分かる通り、今や高齢者(65歳以上)の割合は全体の3割近くまで達し、
2020年6月時点で約28.7%となっています。
また、このペースで推移すると2065年には全体の約38.4%が高齢者ということになります。

そして、高齢者の数が増加傾向であるのと同時に子供の数が減少傾向であることから、必然的に企業の人手も不足してくることが分かります。

人手不足による変化が目に見えて実感してきた今、競合他社と差をつけるためにも、一歩先の採用戦略を考えるべきだと言えます。

 

人材紹介事業の市場規模

次に人材紹介事業の市場規模に触れていきます。

下図は、2001年から2018年までの人材紹介事業の市場規模の推移を表しています。
(参考:「職業紹介事業の事業報告の集計結果について」(厚生労働省)の各年の紹介手数料を基に算出)

グラフから読み取れるように、
2008年のリーマンショックで一時的に1,861億円まで減少したものの、そこから順調に推移し、直近2018年には5,418億円となりました。

転職してさらなるキャリアアップを図る方、子育てが終わり再就職をする方など、働き方に多様な価値観が浸透してきている昨今において、人材紹介の需要はますます増加しそうです。

 

2.エージェント型リクルーティングとは何か

いよいよ本題のエージェント型リクルーティングについてです。

エージェント型リクルーティングとは、
「人材紹介の機能を持つ採用活動」
のことです。

具体的に言うと、
「今の時流である人材紹介事業のように人材を他社に紹介しながら、同時に自社の採用も行うことで人手不足を解消する活動」
ということです。

このように聞くと、
「これまでの人材紹介事業とは何が違うの?」
と疑問が浮かぶかと思います。

よってまずは人材紹介事業との違いを見ていきます。

人材紹介事業との違い

エージェント型リクルーティングと人材紹介事業の大きな違いは、それぞれがどのような活動であるかということです。

それぞれを比べると、
・エージェント型リクルーティング→採用活動
・人材紹介事業→事業活動
となります。

これはつまり、「何が」一番の利益になるのかも異なるということです。
そしてそれぞれの利益は、
・エージェント型リクルーティング→自社の人材採用
・人材紹介事業→紹介により生じる紹介手数料
と言えます。

エージェント型リクルーティングはあくまでも採用活動に重点を置いているため、金銭的な利益が第一優先ではないことが分かります。
したがって、紹介手数料も
・エージェント型リクルーティング→理論年収の15~20%(数値は一例です)
・人材紹介事業→理論年収の30%(数値は一般的な紹介事業の手数料平均値です)
といったように差を出すことができます。

エージェント型リクルーティング 人材紹介事業
どんな活動か? 採用活動 事業活動
何が一番の利益か? 自社の人材採用 紹介により生じる手数料
手数料の割合は? 15~20% 30%

次に、「なぜ手数料で差を出すことができるの?」という疑問を見ていきます。

なぜ手数料を安くできる?

それは、
「人材紹介事業よりもコストが掛からないから」
です。

一般的な人材紹介事業の場合、
・固定コスト→人件費、オフィスの賃貸料
・変動コスト→求職者集客費用、求人獲得費用
といったコストがかかります。
事業として継続するためには、このコストを上回る必要があります。

一方採用活動であるエージェント型リクルーティングでは、固定コストはこれまで通り企業が行っている事業活動で賄うことができます。
よって、人材紹介により得た紹介手数料は変動コストにのみ割り振ることができます。

導入のメリット

次に、エージェント型リクルーティングの導入メリットをお伝えします。

メリットは次の2つです。

①良い人材を自社で採用できるチャンスが増える
②手数料を安く設定することで求人を獲得しやすい

<詳細>

エージェント型リクルーティングは採用活動ですが人材紹介の
・求職者向けのキャリア相談
・求人案件の紹介
といった機能も有しています。

これにより、今まで自社に興味のなかった人材もキャリア相談・求人応募により自社と接点を持つことになります。
つまり、良い人材に巡り合えた場合、初めは自社に興味がなくともアプローチ次第で自社へ採用することも可能になるということです。


一般的な人材紹介事業の手数料は30%ほどが平均であるのに対し、エージェント型リクルーティングでは15~20%の手数料となります。

つまり、理論年収が400万円の人を紹介した場合、紹介先の企業が払う手数料は
・エージェント型リクルーティング→60~90万円
・人材紹介事業→120万円
となります。

手数料の割合は企業の実情により異なりますが、一般的な人材紹介会社よりも安く設定できるため差別化を図ることができます。

この強みを生かすことで、企業の求人案件をより多く獲得することに繋がります。

3.まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
深刻な人手不足を、時流である人材紹介で解決しようという取り組みがエージェント型リクルーティングであり、その手法やメリットなどをお伝えしました。

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