人材業界の働き方改革の問題点と改善策を徹底解説!

新型コロナウイルスに罹患された方、体調を崩されている方、影響を受けられている方へ、謹んでお見舞い申し上げます。近年、働き方改革が話題になっており、各業界で様々な取り組みが広がっています。しかし、人材ビジネス業界では働き方改革があまり進んでいないと言われています。そこで今回は人材紹介業に焦点を絞って、働き方改革を進める上での問題点と改善策を徹底解説します。

 

1.人材紹介業の人員体制

1-1.人材紹介のビジネスモデル

まずは人材紹介業のビジネスモデルを概観し、人材紹介会社がどのような人員体制で業務を行っているのか確認しましょう。

人材紹介業(有料職業紹介事業)とは、仕事を探している求職者と人がほしい求人企業を繋げるマッチングビジネスです。主な業務は、①求職者を集める為に企業の求人案件を獲得する「法人営業」②仕事を探している人(=求職者)を集める「人材(求職者)獲得」③最後に求人企業と人材(求職者)を繋ぐ「マッチング業務」の3つです。

1-2.CA・RAとは

一般的に人材紹介会社の人員は、キャリアアドバイザー(CA)とリクルーティングアドバイザー(RA)に分かれます。

CAは求職者向けのマーケティングを担当する人員で、求職者の開拓と成約数の最大化が役割です。CAの主な業務内容は求職者との面談、推薦する求職者の選定、応募書類の作成、面接対策等です。求職者と企業の間で内定が決まれば、求職者の現職の退職サポートなど、入社前のフォローも担当します。

RAとは法人向けのマーケティングの担当者で、役割は求人案件を開拓し、オーダー数を最大化することです。RAの主な業務内容は企業に営業をかけて求人案件を開拓、企業との面談の設定、採用条件の交渉等になります。

人材紹介会社ではこのCAとRAの業務量が膨大となり、結果として労働時間が伸びてしまうということが頻繁に起こっています。実際に弊社の支援先においても、如何に業務を効率化・最適化し、工数を削減していくかは重要な課題の一つとなっています。

2.人材紹介で働き方改革が進まない原因

人材紹介会社で働き方改革が進んでいない原因は大きく①CA・RAが担当している業務量が多いこと②一つ一つの業務の作業時間が適切ではないことが挙げられます。
まずは一つ目の業務量が多いという側面を見ていきましょう。

上の表はCAとRAがそれぞれ担当する業務を一覧にしたものです。表からわかるように担当業務が非常に多く、これらを全てこなそうとした結果、長時間労働になってしまいます。長時間労働以外にも、業務量が多いことの弊害として、希少価値の高いスキルを持った担当者が事務作業に追われてしまい、せっかくのスキルが適切に発揮できないという状況も生まれてしまいます。そのため、CA・RAに集中している業務を他の人員に再配分するための施策が求められています。

2つ目の一つ一つの業務の作業時間が適切ではないという点は人材紹介ビジネスの特性に関わりがあります。人材紹介ビジネスは「人」の転職をサポートするサービスなので、完璧なサポートをしようとすればタスクはほぼ無限に存在します。具体的には面接対策指導に時間をかけすぎてしまったり、1件の商談に力を入れすぎてしまったりした結果、全体の効率が低下し、長時間労働に繋がってしまいます。このような状況に陥らないためにも、予め具体的な作業時間の基準値と面談数、案件獲得数などの目標値を定めておく必要があります。

3.施策①業務量最適化

前章では人材紹介会社における長時間労働の要因として、「CA・RAの業務量が多い」ことと「作業時間が適切ではない」ことを挙げました。本章ではこれらの問題点を解決し、働き方改革を実施するための施策を具体的に解説します。

まずは業務量の過多を改善するための施策です。
高いスキルを持ったCAとRAにあまりに多くの業務が集中していると、労働時間が伸びるのはもちろんですが、事務処理等に時間を取られてせっかくコンサルティングスキルやセールススキルが存分に発揮できない可能性もあります。そのため、属人性の低い業務はパートなどの高度なスキルを擁さない人材に任せてしまって、CA・RAが負担する業務を減らす必要があります。

業務量改善の具体的な実施事項としては、まず業務の棚卸をして、誰がどの業務にどのくらい時間をかけているのかをハッキリさせます。次に属人性が高く高度なスキルを要する業務とそうでない業務を区分けします。そして属人性が低い業務に関するマニュアルを作成し、パートなどの比較的人件費のかからない人材に任せます。こうすることにより、CA・RAが担当する業務数を削減でき、彼らを他の業務に集中させ労働時間を短縮することができます。

4.施策②作業時間最適化

もう一つの問題点、「作業時間が適切ではない」ことに対する改善策を解説します。

人材紹介において、求職者のサポートや企業担当者との面談などにどれくらいの時間を割くのが適切かというのは必ずしも正解がない難しい問題です。しかし、それぞれの担当者の判断に任せて好きな業務に好きなだけ時間を使える状態にしていると、組織全体の最適化は進まず、労働時間も際限なく長時間化します。

このような状態を改善するためには、各作業の所要時間の基準を定め、スタッフが基準通りに動けているかをモニタリングし、問題点を発見し対策するというサイクルを回していく必要があります。具体的な実施事項としては、まず既存の業務を棚卸し、目標と所要時間の基準を設定します。全スタッフに基準となる所要時間以上には業務に取り組まないように周知徹底します。その上で目標に到達していない場合は取り組み方にどこかまずい点があるので、社内ノウハウの共有を通じて問題を改善します。

近年、優秀な人材は労働環境が整備されている企業に集まる傾向にあり、働き方改革の推進は企業経営者にとって無視できないこととなっています。

一般的に働き方改革が進んでいないと言われる人材業界においてもこの流れは同様で、業務を効率化し、工数の削減に取り組む必要があります。今回ご紹介した二つの施策は多くの人材紹介会社に共通する問題を解決するのにお役立ていただけると思いますので、未だ具体的な取り組みを行っていない企業はできるだけ早く働き方改革に是非取り組んでみてはいかがでしょうか。

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