【企業様向け:地方の人材不足を解決】地方創生人材支援制度の仕組みとメリットとは?

現在地方では、少子高齢化による生産年齢人口の減少、若者の東京圏への人口流出によって衰退が進んでおり、若者に地方の魅力を感じてもらうことが重要となります。この記事では地方創生の一つの方法である地方創生人材支援制度について、船井総研人材ビジネス支援部が詳しく解説しております。「地域を盛り上げていきたい」「地域の中小企業の人手不足を解消し、会社を発展させていきたい」とお考えの地域の中小企業向けの記事です。この機会にぜひお読みくださいませ。
 

 

1.社会の動向 

1-1.日本全体の労働市場

 近年、少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少しております。生産年齢人口の減少は日本の労働力人口の減少に大きく影響します。企業は減少し続ける労働力の中から人材を採用していかなければなりません。日本の今後の労働市場では、労働力獲得競争の激化が予想されます。

<生産年齢人口の推移>
2017年10月1日 2018年10月1日 2019年10月1日 今後
7596万2千人 7541万1千人 7507万2千人 さらに減少すると予想される

 
(参考)総務省統計局「人口推計」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html
*生産年齢人口…15歳以上65歳未満の生産活動の中心にいる人口層

<有効求人倍率の推移>
2017年 2018年 2019年 2020年4月
1.5倍 1.61倍 1.6倍 1.32倍

 
(参考)厚生労働省「一般職業紹介状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00037.html
*有効求人倍率…仕事を求めている人1人に対して企業から何人の求人があるかの指標

 
上記の2つのグラフをご覧ください。生産年齢人口は毎年減少しています。2020年4月の有効求人倍率は1.32倍で、100人に対して132人分の求人があるということを示しており、企業は人手を求めているということが読み取れます。
 

1-2.地方の労働市場

現在、東京一極集中型社会となっており、人口が東京圏へ集中しています。企業の人手不足は日本全体が抱える問題ですが、人口流出が進む地方では人手不足問題がさらに深刻であるといえます。
  

(引用)総務省「人口推計2019年10月1日現在」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html

 
上記の地域別総人口のグラフから、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に人口が集中しており、地方では人口の過疎化が進んでいることがわかります。
 
総務省の『住民基本台帳人口移動報告(2019年)』によると、東京都は8万2982人、東京圏は14万8783人が転入超過しているという結果がでています。
 
※転入超過…地方から東京圏に移り住む転入と東京圏から地方に移り住む転出の差において転入がプラスの場合のこと
 
また、年齢5歳階級別の東京圏の転入超過数は、以下の通りです。
25~29歳:約3万人
20~24歳:約8万人
15~19歳:約2.5万人
10代後半から20代の労働力となる年齢層の人口が、地方から東京圏へ大量流入しています。
 
なぜ、10代後半から20代の東京圏への人口流入が進んでいるのでしょうか。
原因を考えていきましょう。
 
地方から東京圏への人口流入の原因
・多くの大企業が東京圏に集中している
・主要大学が東京圏に集中している
・地方の若者の奥が東京への憧れを持っている
 
若者が東京圏に流出した地方で起こる問題
・産業の衰退
人口が減少し、高齢化が進むと、飲食店やスーパー、娯楽施設等サービス産業を利用する消費者が減少するため、売上が上がりません。
 
・負担と受益のバランス崩壊
若い人材が減少することによって社会保障制度において負担と受益のバランスが崩れます。
 
・生活利便性の低下
若者の減少によって税収が減少します。税収が減少することによって行政サービスが行き届かなくなり、生活利便性が低下します。利便性の高い東京への流出が加速し、地方ではますます過疎化が進むという負のループが生まれます。
 
 
 

2.地方創生とは

地方から東京圏への過度な人口移動を防ぐため、各地方が住みやすい環境を整えることによって、活力ある日本社会を維持するための活動です。

2-1.地方創生の基本目標


 

地方創生人材支援制度とは

国は地方創生に意欲と熱意のある地域に対して、情報・人材・財政という3つの側面から支援を行っています。
 
地方創生人材支援制度とは地域創生のためにまち・ひと・しごと創生本部が2015年に開始した制度で、人材支援の中の1つの制度です。
 
地方の人口減少に伴い、地方公共団体には戦略を企画・立案できる人材が不足しています。
 
そこで、地方創生人材支援制度では地方創生に積極的に取り組む自治体に対し、地方創生に意欲や能力のある国家公務員や大学研究所、民間人材を市町村長の補佐役として市町村へ派遣し、市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定・実行支援を行っております。

 

2-3.地方創生人材を派遣する流れ


 

3.地方創生人材支援制度のメリット

<派遣を受け入れる地方にとってのメリット>
・プロフェッショナル人材を活用できる
・都市部企業との連携強化によって生まれる多様な人材交流ができる
・外部の新しい意見を取り入れることができる
 
<人材を派遣した企業にとってのメリット>
・若い人材に実践的な経験を積ませることができ、派遣終了後もその力を活かすことができる
・市町村とのかかわりによって、ビジネスチャンスを得られる可能性が広がる
・地方の多様性を活用した新しい事業の創出に目を向けられる
 
地方創生人材支援制度は派遣を受け入れる地域にとっても、人材を派遣する企業にとってもメリットがあり、地方だけでなく日本全体の活性化に繋がる制度だといえます。
 

4.まとめ

現在地方では、少子高齢化による生産年齢人口の減少、東京一極集中による若者の流出が進んでいます。若者流出がさらに進めば、今後地方は衰退の一途をたどります。
 

活力ある地域を取り戻すためには、いかに若者にとって魅力的な地域をつくるかが重要なポイントとなります。
 
方法としては、「東京へいってしまった若者が戻ってくる」「若者が地元に残りたくなる」地域へと生まれ変わらせるために、地方創生人材支援制度を活用することです。外部のプロフェッショナル人材の意見を地域に取り入れることによって新しい発想が生まれ、活性化に繋がる可能性が広がります。
 
また、地域の中小企業にとって、若者が地元で就職したくなる会社づくりも重要となります。若者にとって地元に魅力的な会社があれば、就職するために地元に残る選択肢が生まれるためです。
地域の企業は今後を担う労働力人口を確保し、さらなる発展を目指しましょう。
 
船井総研人材ビジネス支援部では、人材派遣・人材紹介・人材募集等、各種人材ビジネス経営に関するご相談を受付しております。
不安点やお悩みがございましたら、「無料」で個別相談を受付しております。

 

この機会にぜひお申込みくださいませ。
https://www.jinzai-business.com/management
 

5.参考記事

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 内閣府地方創生推進事務局
「まち・ひと・しごと創生基本方針2019について」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/pdf/r01-06-21-kihonhousin2019gaiyou.pdfa

総務省統計局
「住民基本台帳人口移動報告 2019年(令和元年)結果」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei03_01000083.html

 

 

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