介護業界|新規開設に向けた7フェーズと人材採用の3ポイントをご紹介

短期間でやることの多い介護事業所の新規開設までの流れを、船井総研人材ビジネス支援部の方で7フェーズに分類しました。特に、事業を回すうえで必須である人材を短期間で採用するために、基礎となるポイントを3つご紹介いたします。介護事業を運営する方、これから参入を考える方の一助となれば幸いでございます。
 

 

1.介護事業所を新規開設するまで7フェーズ

介護業界は現在、10兆円超えという非常に大きなマーケットへと成長しています。
医療の発展による平均寿命の増加や止まらない少子高齢化により、今後も介護サービスのニーズは増えるでしょう。
 
ここでは新規の介護事業所開設を構想し始めてから、実際に運営が始まった後の流れまでをご紹介します。
大まかに、以下の7フェーズに分けました。

1.開設の可否判断
2.資金調達
3.物件調査
4.介護事業者の指定申請手続き
5.人材採用
6.開設前の営業活動
7.開設後の営業活動

 
1つずつ見ていきます。
 

1.開設の可否判断

初めに介護事業所を新規開設する可否について判断していく必要があります。
調査・検討次第で開設エリアや事業内容を変更する必要も出てきます。
 
項目は、大きく3つです。
「商圏」
・・・現在どれほどの人口が住んでいるか。その中で介護が必要な人口はどれくらいいるか。将来の人口はどう推移すると予測されるか。世帯収入はどれくらいか。
 
「競合」
・・・開設予定のエリアに介護事業所は存在するか。利用者はどれくらいいるか。その事業所の特徴は何か。
 
「事業計画策定」
・・・どのような事業(介護サービス)を行うかの決定。スタッフや利用者の人数、事業所の規模などの決定。投資・収益などの損益計画書作成及びシュミレーション。
 
上記項目を把握することで新規開設後のイメージが見えてきます。
そしてそのイメージに向かい真っ直ぐ進むことで、その後のフェーズでも無駄なアクションを減らすことができます。

2.資金調達

新たに金融機関からの融資や、国からの助成金を申請しようと考えている方もいるかと思います。
 
金融機関からの融資を受ける場合、日本政策金融公庫の利用をオススメします。同金庫は100%政府出資の政策金融機関です。
新たに介護事業を創業する場合は無担保・無保証人の「新創業融資制度」を、同じ業種の事業を始める場合は前者より金利の低い「新規開業資金」をオススメします。
 
 
また、以下は助成金の例です。
「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」
・・・介護労働者の身体的負担を軽減するために介護福祉機器の導入・運用計画及びそれらを実施し、効果を適切に把握することで「機器導入助成」を受給できます。また、従業員の離職率低下が見られた場合に「目標達成助成」が受給できる制度です。
 
「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」
・・・対象の地域(※1)に事業所を設置し、その地域の求職者を雇用した人数により受給額が変わるという助成金です。対象の地域として指定される期間は、地域ごとに違うため注意が必要です。
 
※1
「同意雇用開発促進地域」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/dl/190412_01.pdf
「過疎等雇用改善地域」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/dl/190412_02.pdf
「特定友人国境利用地域等」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/dl/170403_01.pdf

 
 

3.物件調査

居宅や通所、訪問といったサービスごとに設置基準などの差はあるものの、物件決めは大切です。
新しい物件を建てる、または既存物件をリフォームするなどが考えられるほか、「介護賃貸」といった介護サービスを必要とする高齢者が住める賃貸物件もあります。
 
介護サービスごとに設置基準のあるスペースのほか、事務室や相談室、車イスでも利用可能なトイレなど業者とも話し合い、賃貸契約やリフォーム計画を立てていきましょう。
また、物件の間取りなども踏まえた家具も検討する必要があります。
 
 

4.介護事業者の指定申請手続き

介護事業者として指定を受けるために、申請受付期間内に事業所設立予定の地域を管轄する市もしくは都道府県へ申請をする必要があります。
 
指定申請には時間がかかります。
東京都の場合、指定申請の事前申込は3か月前の末日までです。
その後、指定前研修を受けて3か月後の1日に指定されます。(例:3月末日までに申込→6月1日に指定)
 
市や都道府県で、期日なども変わるため予めの確認は必須です。
 

5.人材採用

事業を回すのはヒトであるため、人材採用は非常に重要です。
 
事業所新規開設までの期間はやることが多いため、お金はかかっても短期間で多くの人材を採用したいところだと思います。
 
求人広告媒体に求人情報を掲載したり、ハローワークなどに情報を提出する書類作成をする必要があります。
必要に応じて説明会を実施することで仕事や職場のイメージがつき応募の増加が期待できます。
 
人材採用のポイントについて、詳しくは後述します。
 
 

6.開設前の営業活動

介護サービスの利用者となる高齢者や、利用者となりそうな高齢者を紹介してもらうため、居宅介護支援事業所に勤めるケアマネジャーやメディカルソーシャルワーカーへ営業活動を行います。

 
利用者となる高齢者層には、
紙媒体のチラシなどで認知してもらい、通常の告知チラシ以外にも回覧板用のチラシ、無料お試し体験チラシなどの作成が考えられます。
またお試しで来てくれた方向けにパンフレットなどを作成し、配布するという施策も考えられます。
 
利用者となる高齢者層を紹介してくれるケアマネジャーには、事業所の見学イベントを計画することも望ましいです。
その機会に事業所の魅力や特徴、どのようなサポートができるか実際にシュミレーションするなどして、ポジティブな印象を与えましょう。
 
 

7.開設後の営業活動

いよいよ事業所が開設して事業がスタートしたとしても、すぐに利用者がいっぱいになるとは限りません。
稼働率を上げるために引き続き営業活動を行う必要があります。
 
内容は主に4つで、
①潜在利用者の把握(必要ならばリスト作成)
②地域住民への告知
③ケアマネジャーへ訪問
④メディカルソーシャルワーカーへ訪問
です。
 
事業所のある商圏の中で、介護サービスを必要とする利用者層へチラシなどで引き続きアプローチをかけましょう。
また、ケアマネジャーやメディカルソーシャルワーカーへ訪問して新規の利用者を紹介してもらう際は、自事業所の魅力や特徴、施設の様子などポジティブな印象をなるべく細かく伝えるよう意識しましょう。
 
 

2.短期間で人材を採用する3つのポイント

新規開設時の人材採用では、職場環境の整備や研修・教育の充実を図ることも大切ですが、まずは短期間のうちに応募数を獲得し、スタッフを充足させることに注力すべきです。
 
ここでは短期間で応募を獲得するポイントについてお伝えします。
ポイントは以下の3つです。

①チラシ広告を活用する
②求人情報サイトで募集を実施する
③求職者向けに説明会を実施する

 


チラシ広告とは、チラシを利用し商品やサービスなどを宣伝する広告のことです。
短期間で利用者・求職者を募るために、まずは宣伝をし事業所の存在を認知してもらうことが大切です。

特に、事業所が開設されるエリアの利用者・求職者となる層には積極的にアプローチをかけるべきです。
 
折込チラシのように各家庭のポストにチラシを配布するタイプの紙媒体チラシでは、開設予定の事業所がある地域へ限定的に配布することができます。
また最近では、WEBチラシ(電子チラシ等ともいう)といって、費用を払うことでWEB上にチラシを載せることもできます。

しかし、WEBチラシの場合、ユーザー自らがチラシを調べなければならないため、折込チラシの方が開封率は高いといえます。
   
  

求職者は、求人情報サイトを利用し就職活動をすることが多いです。

求人情報を掲載するときに重要なのが求人見出しなどで使うフレーズです。
フレーズ1つで応募数が変わることは往々にしてあります。
 
新規開設でオススメの求人見出しフレーズは
・「新規オープン(令和〇年〇月オープン)」
・「オープニングスタッフ募集」
・「〇月に説明会実施予定」
などです。
 
求人見出しは求職者が一番見るところです。
人間関係をイチから形成する必要がある新規開設では、「職場の人間関係が嫌だ」「上が詰まっていて昇進させてもらえない」といった心配もありません。

新しく開設することはポジティブな面が大きいため前面的に押し出すと良いでしょう。
 
 

①や②の情報だけでは応募に至らなかった求職者は、説明会を実施することで取り込みましょう。
 
その際、働くやりがいについて訴求することが大切です。
 
求職者は必ずしも給与などの処遇面だけで職場を決めているわけではありません。
自法人の理念、介護サービスの特徴、事業や教育などの方針を伝え、どのような社会貢献姓があるかをイメージしてもらうと良いでしょう。

3.まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!

新規開設時はやるべきことが多く不安も多いと思います。
それと同時に人手が不足する現在において、優秀な人材の力強いサポートは非常に強力です。
弊社には、介護事業の法人経営を数多くサポートしている経験豊富なプロフェッショナルがおります。
「新規開設で悩み事がある」「従業員との関係がうまくいかない」「利用者が伸び悩み経営が厳しい」など、多くの経営者が抱える悩みを解決に向け丁寧にサポート致します!

 

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https://funaisoken.ne.jp/jinzai-business/inquiry.html
 
また、人材採用をテーマにした介護業界向けのセミナーも定期的に実施してますので、是非ご参加ください!
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