自社のホームページや紙媒体の求人票に採用情報を掲載しても「応募ゼロ」という中小規模の会社、もしくは求職者の応募を効率的に増やしたいという、地域の人材紹介会社向けの記事です。
効果的な採用のWebマーケティング手法や、各種検索エンジン・SNS広告、更に多くの応募を獲得できる求人票・求人広告の作り方や掲載の注意点、打ち出し方について、分かりやすく詳細に解説しています。
自社の求人方法の幅を拡げられることに貢献できますと幸いです。
①求人広告事業の市場規模
人材サービス産業の市場規模・・・9兆9,704億円
事業形態 | 市場規模(売上) |
---|---|
求人広告 | 8,530億円 |
職業紹介 | 3,876億円 |
派遣 | 6兆5,798億円 |
請負 | 2兆1,500億円 |
参照:人材サービス協賛協議会 http://j-hr.or.jp/wp/wpcontent/uploads/JHR_2030_report_book_191107.pdf
人材サービス産業の市場規模が9兆9,704億円で求人広告は8,530億円を占めているので、8~9%のシェア率になります。
②人材紹介会社の人材募集方法
求人者(取引先企業)から欲しい人材を人材紹介会社に伝えます。その条件に当てはまる人材を紹介会社の登録者の中から選び、紹介するというビジネススタイルです。
報酬は取引先企業と候補者の間で雇用契約を結んだあとに発生する成果報酬型になります。
引用先 https://www.jinzai-business.com/69-2
③応募の来る人材募集方法とWebマーケティング
♦️応募者を増やすためのポイント
・自社の強みをアピールする
女性の転職に強い会社や、業種に特化している会社があるように自社の強みをアピールしましょう。
ターゲットを絞る
例えば、
・女性の転職 ・職種、業種に特化している
・マッチング精度 ・地域特化型
・また、全業界サポートできるというのも強みです
エンジニアの転職といえばこの会社!というようなブランドがあると良いです。
サービスを紹介する
・面接対策の実施
・SE添削
・求人数
・オリジナルのサービス など
ユーザーが自社のサービスを利用した場合どのようなメリットがあるかわかりやすく説明すると使いやすいサイトにもなります。
・キャッチコピーを目立たせる
求人募集要項をながながと書くよりも、ターゲットに響くようなキャッチコピーの方がダイレクトに見る人に伝えることができます。
採用したい人材が就職において何を求めているのか、相手の気持ちを考慮して心に響くキャッチコピーを考えます。
・Webマーケティングを活用する
▶Webマーケティングの意義
あるサービスを販売するために消費者行動を分析し、購入してもらうプロセスのことです。
▶Webマーケティングの目的
Webマーケティングの目的は、消費者にサービスを購入してもらい売上げを向上することです。
売上げを向上させるために欠かせない、集客数アップのWebマーケティング手法を説明します。
*集客数アップのためのWebマーケティング手法
SEO (Search Engine Optimization) とは略語で「検索エンジン最適化」のことです。検索エンジンにて特定のキーワードと検索したときに、サイトの上位に掲載されるようにすることをいいます。
検索結果上位に表示できればクリックされる確率が飛躍的に高くなり、なおかつ無料で集客できるため、SEOは非常に重要なポイントになります。
検索エンジンからの集客 | リスティング広告
検索エンジンからの検索結果に連動して表示される有料の広告のことです。「検索連動型広告」とも呼ばれています。
ネット広告からの集客 | SNS広告
Facebookや、TwitterなどのSNSに出稿する広告です。
SNS広告はターゲティング精度の高いことが特徴です。
SNSを利用しているユーザーは地域や年齢、性別、趣味などプロフィールに登録しているため、それらの情報をもとに詳細なターゲティングをすることができます。
ネット広告からの集客 | ソーシャルメディアマーケティング
TwitterのリツイートやFacebookのシェアなどによって、SNSからの集客を狙うWebマーケティング手法です。
InstagramやLINEなどの公式のアカウントを作成し、ユーザーとの交流を図り、自社サイトへの集客につなげます。
ネット広告からの集客 | アフィリエイト広告
広告をクリックしたユーザーがコンバージョンをした場合に広告費が発生する成果報酬型広告です。
*コンバージョン・・・ショッピングサイトでは購入、情報提供サイトやコミュニティサイトでは会員登録、資料請求など最終的な成果のこと
しかし、掲載の保証がないため、見てもらえる広告にするにはSEO対策が必要です。
▶Webマーケティングまとめ
Webマーケティング手法を行うことで、様々な情報を得ることができます。ユーザーのアクセス回数、画面を開いている時間などの情報を得ることができるので、アクセス解析を繰り返し改善して可能性を広げていきましょう。
紹介したのは、ほんの一部でWebマーケティングは集客だけではありません。
集客⇒接客⇒再来⇒効果測定の4フレーズあります。
ユーザーを集客した後も、顧客に導くためにWebマーケティングを有効に活用し業績アップにつなげていきましょう。
働き手不足のなか、今までのようにただ待っていては応募も来なくなります。
企業は採用するために自ら求職者にアプローチをしなくてはなりません。満足な人材を獲得するにはWebマーケティングは欠かせないものになります。
④求人掲載の注意点
求人募集要項を作成するには法や制度が定められており、載せてはいけない禁止事項や表現があります。それを知らずに記載してしまうと法令違反になってしまう場合もあるのでしっかりと把握しておきましょう。
♦️確認しておきたい法律
▶労働基準法
労働条件としての最低基準を定めている法律です。
アルバイトやパートタイムなども含む労働者を雇用するすべての事業所に適用されます。
求人広告を作る際に、労働契約や賃金、労働時間、休日および年次有給休暇、災害補償、就業規則などの項目について遵守する必要があると考えられています。
▶男女雇用機会均等法
雇用における機会や環境を性別の差別なく確保することを目的とした法律です。
▶最低賃金法
最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする法律です。
▶雇用対策法
雇用に関する国の制度や理念などが示されている雇用の基本となる法律です。
2018年に働き方改革推進のため改正され募集や採用における年齢制限の緩和など、事業主に対する指針が定められています。
▶職業安定法
職業の紹介や、募集と供給を規定している法律です。職業紹介事業などの運営を適正にし、職業の安定を図ることなどが目的とされています。
また、職業安定法では下記のように労働条件を明示することを定めています。
・労働者の業務内容・労働契約の期間
・就業する場所・始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間と休日
・賃金(賞与などについては別途規定あり)
・健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用有無など
♦️求人広告に載せてはいけない禁止事項
▶性差別表現
男女雇用機会均等法のため労働者の募集又は採用において、性別を理由とする差別を禁止しています。
・募集又は採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること
・募集又は採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること
・採用選考において、能力及び資質の有 無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
・募集又は採用に当たって男女のいずれかを優先すること
・求人の内容の説明等募集又は採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/danjokintou/index.html厚生労働省
▶年齢差別表現
雇用対策法が改正され、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。
▶特定の人を差別・優遇する表現
家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定してはいけません。
▶職業安定法による規制
虚偽の求人広告や、求職者に誤解を与えるような求人広告を出してしまうと6ヶ月以下の懲役刑又は30万円以下の罰金刑が科されます。
例)× 夜間の勤務が必須であるにも関わらず、広告を出す際に明示しない場合
× 実際は子会社であるにも関わらず、親会社の名前を使って求人募集を行う
⑤求人広告・求人メディア事業の将来性と成長性
現在、求人広告・求人メディアは人材確保のための手段として急速に成長しています。今後も生産年齢人口の縮小のよる人材供給の減少は避けることができないため、需要は増えていくと予想されています。
しかし、需要が増えている一方、人材供給の減少や新しいWebメディアの登場により働き手の確保は困難なものとなっていきます。
また、広告メディアはトレンドなどの変化が激しいため、どんどん新しいサービスを取り入れなくてはなりません。
働き手を安定に確保するには、独自のサービスの創造、効率性のあるWebマーケティングを取り入れることが必須になるでしょう。
少しでもお悩みがありましたら、、
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参考文献
https://www.jinzai-business.com/27#content_421_0_2 【2017年版】人材派遣業界の市場規模と、派遣業界の今後の動向について 人材採用・人材募集.COM
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/danjokintou/index.html 男女雇用機会均等法 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-10.html最低賃金法 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171017_1.pdf職業安定法 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000212706.pdf男女雇用機会均等法の あらまし
https://www.jinzai-business.com/69-2#content_1162_0_1人材募集で気を付けるべき規制事項 人材採用・人材募集.COM