離職率改善のための人材紹介会社の取り組み

人材紹介は企業と人のサポートをする魅力的な仕事だと思われる一方で、離職率が高い、激務だと思われていることも事実です。
本記事ではネガティブに思われてしまう要因を解説し、そう感じさせない職場環境つくりの取り組みを解説します。


はじめに

 

人材紹介とは、新たな人材を求める企業と、仕事を探している求職者を結びつける仕事です。より詳しい人材紹介の仕事内容は過去記事に掲載していますので、そちらをご覧ください。
人材紹介会社における転職コンサルタントを徹底解説!

離職率の現状

人材紹介で働く人の離職率について解説します。

厚生労働省「平成 28 年雇用動向調査結果の概況」より作成

上記は厚生労働省が発表した平成28年1年間の産業別入職率・離職率を表したグラフです。人材紹介はサービス業(他に分類されないもの)※1に含まれます。離職率は第3位で19.3%、数にして約72万人に上ります。

厚生労働省「新規大学卒業就業者の離職状況」

その中でも上記のグラフは、新卒入社して3年以内に辞めた離職者だけに着目した比率です。厚生労働省の発表によると、平成28年の3年以内の新卒離職率は業界全体で31.9%です。その中で人材紹介が含まれるサービス業(他に分類されないもの)は36.4%と、平均よりやや高い数値を示しています。

人材紹介はサービス業と大きな枠で括られており、サービス業を構成する具体的な割合や明確な数字は公表されていません。ですが、一般的に人材業界だけでみた3年以内の新卒離職率は、約3割と言われています。数値は業界全体と同程度ですが、産業全体に対する人材業界の規模※2を考慮すると、3割の離職率は大きな影響力があると考えられます。

インターネット検索でも離職率の問題やネガティブなワードが引っ掛かり、人材業界に就職する新卒者や転職者に不安を抱かせてしまっていることも事実です。
なぜその様なイメージが付いてしまったのか。そして、そう思わせないためにはどうすべきか。それらの詳細を本記事にて解説します。

※1サービス業(他に分類されないもの)は廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業、政治・経済・文化団体・宗教に分類されます。

※2人材紹介と人材派遣の事業所数の合計は約9万6000件(2015年)産業全体の企業数は約420万件

ネガティブなイメージがついた要因

まず、人材紹介会社の離職者が、どの様な理由で離職したのか、その主な一例を紹介します。

・拘束時間の長さ
残業による拘束時間の長さをストレスに感じる方が多いようです。長くなってしまう主な理由は、相手側の都合に合わせる状況が多い仕事だからです。例えば転職希望者と面談する際、希望者がまだ現在の職に就いていた場合「面談時間が、相手が退社した18時以降から」のようなスケジュールになってしまいます。このようなことが拘束時間の長さに繋がります。

・仕事量の多さ
求職者側の面談から内定を頂いて入社するまで、あらゆるサポートを行います。また、企業側とも面談を行ってニーズを聞き出し、求人案件を獲得します。その工程数の多さにストレスを感じてしまうようです。

・入社後のギャップ
人材紹介で働く多くの人は求職者と企業を結びつけることに魅力を感じています。しかし働いてみると新規開拓の営業など日の目を見ない仕事も多々あります。そのような点に自分の描いていたイメージとのギャップが生まれ、退職してしまうケースがあるようです。

・人間関係
職場内はもちろんのこと、扱う商材も人なので、そこでのトラブルも要因の1つとなっているようです。

これらが人材紹介会社を離職した主な理由です。
次に、厚生労働省「平成 28 年雇用動向調査結果の概況」より離職理由の上位3要因(定年、契約満了を除く)をグラフで表しました。


上記のような結果となります。男性は給与面、労働環境への不満が上位を占めました。
これを更に30代未満の若い世代に絞るとこの様な結果となります。


どちらも労働環境への不満の比率が最も上昇しています。
このことから全体に比べ、若い世代ほど労働環境面に多く不満を感じていたと言えます。

上述したように人材紹介業は仕事柄、労働環境面の不満を感じてしまう要因が多々あるため、イメージが先行して「離職率が高い」「激務である」と思われてしまうのかもしれません。

しかし、離職率の改善や、その様なネガティブなイメージを払拭する取り組みを行う人材紹介会社も多く存在します。次章ではその一例を紹介します。

離職率の低い人材紹介会社の取り組み

人材紹介会社の中でも特に規模の大きな会社では、離職率の低下、ネガティブなイメージの払拭のために様々な取り組みを行っているようです。

・拘束時間の長さ⇒フレックスタイム制度
社員が日々の始業・終業時刻を自身で決定して働く事ができる制度です。フレックスタイム制度を導入し、社員それぞれが効率的に働ける環境を確保します。顧客の都合によって労働時間が間延びしていた人材紹介ですが、労働時間をずらすことが可能になるため残業時間を減らすことにも繋がっています。

・仕事量の多さ⇒業界特化型のビジネスモデル
一概には言えませんが、総合的に案件を受け付けている企業はクライアントの数で稼ごうと必死になっていて、ノルマのハードルが自然と高くなってしまう傾向があるようです。
しかし、得意業界を1つに絞っている人材紹介会社であればクライアント数が限られているため、ワークライフバランスが比較的両立させやすいようです。

・入社後のギャップ⇒ミスマッチを防ぐ選考の工夫
新卒採用の過程に現場の社員と面談する機会をいくつか設け、ミスマッチを防ぐ取り組みを行っています。これによって入社後のギャップを極力小さくします。また、選考のステップも他業界に比べ多いのが特徴です。

・人間関係⇒社内SNSの活用
他の社員との情報共有などが可能になり、ノウハウが蓄積され業務の効率化が図れます。
また、外回りの営業の多い人材紹介業において、社外にいる社員とのリアルタイムに連絡が取れるため、コミュニケーションの活性化にもつながります。
その他、人間関係や仕事の悩みなど、気軽に相談を行えるツールとしても利用されています。

・その他、社員のモチベーション向上の取り組み⇒

①社内表彰制度
新人賞、ベストチーム賞など社員を評価し表彰する制度です。社員のモチベーション向上に繋がります。表彰者にはインセンティブ、海外研修資格などが与えられます。

②その他様々な休暇制度、手当
社員のワークライフバランスを考えた様々な休暇制度、手当があります。独自の面白い休暇制度を採用している会社も多々あります。

これらが、人材紹介会社が実際に行っている取り組みです。労働環境の改善、ミスマッチを防ぐために様々な取り組みを行っていることがわかります。

まとめ

 

人材紹介業は顧客に合わせた働き方が多いため、労働環境面を問題視され、ネガティブなイメージがついてしまっていることが多々あります。
しかし、フレックスタイム制度の導入などで、フレキシブルな働き方をすることも可能になっています。その他、より良い職場環境をつくるために様々な取り組みが行われているようです。
人材紹介は人と企業を繋ぐとても魅力的な仕事です。偏見やネガティブなイメージを持たれないためにも、是非魅力的な人材紹介会社作りに力を入れてみてはいかがでしょうか。

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離職率改善
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