募集コストを一気に下げる“リファラル募集”とは?


【圧倒的人手不足に伴う人材募集の難易度向上】

「人さえいればね…」
このような言葉が日本全国から聞こえてきます。人材ビジネスに関わらず、日本中が圧倒的人手不足時代に突入しています。有効求人倍率は1倍を優に超えて2017年7月現在のデータでは1.52倍という数値をたたき出しています。
しかし、私たちのような人材ビジネスに携わるプレーヤーにとってはある意味では追い風と言えます。人材募集さえクリアすれば、派遣にしても紹介にしても受け入れ先は引く手あまたなのですから。

 

【リファラル募集とは】

「その人材募集が難しいから困ってるんじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、その人材募集のこれまでにない新しい手法をご提案いたします。
ご提案の前にまずは「リファラル採用」という採用手法からご紹介いたしましょう。「リファラル採用」というのは社員に自社で働いてくれそうな人材を紹介してもらい、その人材を採用するという採用手法です。自社の社員の紹介なのでマッチング率が高く、面接まで進めば内定する率は一般的な面接に比べて高く、定着率も高いことが多いようです。募集コストの面でも求人媒体や人材紹介会社に比べて、大幅に抑えられるので注目を浴びています。既にアメリカでは新規採用した従業員の27.5%がリファラル採用というデータも出てきているほど、一般的になりつつある募集手法です。(※CareerXroads 2016 Employee Referrals Review)
そのリファラル採用のノウハウを人材ビジネスにおける人材募集に転用しようという考え方が今回ご紹介する“リファラル募集”です。人材募集のコストが経営を左右する人材ビジネス業界において、この考え方は間違いなくこれからの募集手法として確立していくと考えられますので、この機会に概要と中身を掴んでおきましょう。

 

【リファラル募集のやり方】

ここからは実際のリファラル募集のやり方についてご紹介をいたします。リファラル募集は“募集”という文言がついている通り、どのようにして紹介から新しい求職者を連れてくるか、に主眼を置いています。一口に人材ビジネスと言っても社員と定期的に接触の機会がある派遣業と、一度手を離れてしまったらなかなか接触の機会が作りづらい紹介業で力のかける部分がことなりますので、ここでは2つに分けて話を進めることとします。

・コア社員の選定

まず派遣業の場合におけるリファラル募集ですが、こちらは既存のリファラル採用と大きな差異はありません。具体的には、コア社員の選定→アタックリストの作成→接触、という流れをたどります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
派遣会社でリファラル募集を行う場合、最も始めに「コア社員の選定」から行います。「コア社員の選定」というのは、自社・派遣先ともに関係性が良く、自社の派遣社員であることに満足している社員を選ぶ作業のことです。さらに知り合いがたくさんいるような社交性の高い方であれば言うことなしで、彼らが自社で働いてくれそうな人を連れてくるように動いてくれる方々です。まず彼らに対して、これから行う募集手法について話をしてみます。その際「派遣社員増やしたいから誰か連れてきて」というようなこちらのメリットだけを伝えるようでは、いくらコア社員の方といっても動いてくれません。自社へのロイヤリティが高いことを利用して「○○さんみたいな楽しく働いて活躍してくれる人を多く増やしていきたいと思っている。この機会にうちの会社の悪いところを見直すから、だれか考えてくれそうな人いない?」というようにコア社員を立てつつ、かつ自社の悪い部分を見直すことを約束し、働いてくれそうな人をピックアップしてもらいます。
そのピックアップされた人をリスト化することを次のステップの「アタックリストの作成」にあたります。アタックリストは人材ビジネスで言うところの求職者管理簿に近いようなイメージで、これを基に進捗管理をしていきます。コア社員に人のピックアップや最初の働きかけをしてもらわない限りリファラル募集は始まらないので、アタックリストに対する進捗管理は丁寧に行っていく必要があります。アタックリストに含まれるターゲットは「自社派遣スタッフと同じ職場で働く他社の派遣スタッフ」と「自社派遣スタッフの友人」の2つに大別されるかと思います。前者は大っぴらにしてしまうと“引き抜き行為”として見られてしまうことがございますが、同じ環境で働くなら不満を持った契約内容で働くよりもより良い環境で働きたいと思うものなので、上手く自社をアピールするのはその派遣スタッフのためにもなります。そのためにも自社の労働環境(給与や福利厚生、キャリアパスなど全てを含めたもの)をより良いものにしている必要があります。
コア社員につないでもらった後はようやく接触段階に入ります。この際気を付けたいのは、面接を設定することに躍起にならないことです。まずは見込み求職者としてカジュアルな接触を心がけましょう。カフェやランチを食べながらなど固くならない環境で、「一度話だけでも聞いてもらえませんか?」というようにお客様意識で接しましょう。そしてその場では自社の紹介から入って、どのくらい今働いている環境より、自社で働くほうが魅力的かを伝えて興味を持ってもらい、上手く選考に進むように促すことが大切です。接触する手段は問いませんが、とにかく無理な勧誘をして自社のイメージを下げることだけは避けたいところです。さらに自社で働くメリットですが、給与を押すのかキャリアパスを押すのかなど、自社の長所とターゲットの特性によって打ち出し方を変えていくべきでしょう。

・持ちかけのタイミング

次に紹介業の場合におけるリファラル募集ですが、こちらは派遣業に比べて継続して接触する機会が少ないという弱点が挙げられます。しかしその分狙うタイミングは明確で、「応募者面談の際」と「紹介成約後すぐ」という二つのタイミングを狙いどころとして定めましょう。それぞれ詳しく見ていきます。
まず応募者面談の際の働きかけについては、面談でヒアリングをしている際に「同じ職場で転職を考えている(もしくは上手く活躍できていない)人」「以前の職場で転職を考えている(もしくは上手く活躍できていない)人」「知人・友人で転職を考えている人」を聞き出して、彼らに対して「一人で転職するのは大変だから、友達(同僚)と一緒に情報交換しながら転職活動をしましょう」と働きかける。これは前述のアタックリストの作成と似た部分になります。この後の応募者が紹介してくれた人に対しての接し方は前述の派遣業の場合と同様に、無理に選考に進ませないことが大切です。
次に紹介成約者に対しての働きかけですが、彼らは基本的に紹介会社側に良い印象を持っている場合が多いと思いますので、なるべく早い段階で働きかけを行った方が良いでしょう。その手段としては、紹介が決まった人とともにランチをともにする「お祝いランチ」がお勧めです。その場で他に転職を考えている人がいないかを探ります。名刺など人材会社とコンサルタントの情報が分かるものを複数枚渡しておくと、そこからつながりが生まれる可能性もあるので、準備しておきましょう。
別の手段としては、紹介成約者に対して手書きの手紙を送るというのも有効な手段です。面倒でも手書きで送ることで受け取った側の感情に訴えかけることができます。その手紙に「転職前の○○さん同様に、職場環境で悩まれている方がお知り合いにいらっしゃいましたら是非ともご協力をさせてください」というような文言を添えて、さらに配布しやすい名刺などを複数枚同封しておくことで、紹介確率は高まります。
いずれの手段にしても「別の人を紹介したくなるほど質の高いコンサルティングをしている」ことが肝要です。今回ご紹介している手法に関してはテクニックのようなものが多いですが、本質を見誤らないようにお願いいたします。

 

【募集コスト削減をめざす~まとめに代えて~】

これまでリファラル募集による人材募集の手法を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?リファラル採用のノウハウを転用した人材募集手法ですが、「こんな凄い手法があったのか!」というよりは「確かに言われてみればそうした方が良いな」といった印象が強いのではないでしょうか。確かに特別なことは述べていないかもしれませんが、しかしこれらをやり切れる人材会社が少ないだろうということは予測できます。
序盤でも述べましたが、現在は圧倒的人手不足時代です。人集めのプロである人材会社ですら、人材募集に四苦八苦しているのが現状です。そんな中だからこそ、今まで以上にコスト意識、特に募集コストへの意識を強くもってもらいたいと思います。今回ご紹介した手法で10人に1人でも別の方を紹介いただけてその方が選考に進んだとすると、10打数1安打で打率は1割かもしれませんが、募集コストは10%近く削減されたことになります。ほんのひと手間で面倒なひと手間かもしれませんが、ぜひとも社内で取り入れて社内共通ルールとして実践をしていただければと思います。効果は必ず出てくると確信しております。では、ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

【さいごに】

今回は、リファラル採用という切り口でお話をさせていただきましたが、今後もどんどん採用手法の見直しというテーマは重要になっていきます。
人材ビジネス経営研究会では、人材募集・営業開拓・マッチングについて定期的に情報を発信しております。
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