「人材派遣から見た募集」と「人材紹介から見た募集」の違い


 

人材派遣が募集力アップに取り組む意味

人材派遣では売上に対して、利用できる広告費の目安は1~3%です。(分かり易さのためにあえて乱暴な表現をしています。)そして、「今月は広告費を2倍にしたから、来月から売上が2倍になる」わけではないので、求職者の募集に使うコストは「固定費」のような性格を持ちます。

 

図1:人材派遣会社から見る広告費の性質

 

派遣の場合は、単純に「募集コストを上げる」=「売上が上がる」という式はある程度長い時間軸でしか成り立ちません。さらに、営業利益率も3%前後であれば、積極的に募集費を捻出しようとしても、そこには限度があります。

なので、限られた予算の中で、如何に多くの求職者を集めるのかという「効率」がポイントになります。これは、小規模の派遣会社にとっては、よりリアルな課題になるはずです。お友達紹介や、地元での地道な活動を通して、人材募集をしている小規模な派遣会社が存在するのもこういった面からでしょうか。

一方、中堅以上の規模の派遣会社になると、ある程度人材募集は楽になります。年間100億円近い売上がある場合、一ヶ月に使える予算は1%でも800万円程度でしょうか。かなり色々な手を打つことができる上、使い道としてCMを検討するなど、広告予算も余る可能性があります。この時点では、支店を増やして、募集地域の拡大を図る積極策も行っているでしょう。

では、小規模の派遣会社が規模を拡大して行くにはどうしたら良いのでしょうか。その問題は後ほど触れるとして、次に人材紹介が募集力アップに取り組む意味を考えます。

 

人材紹介が募集力アップに取り組む意味

人材紹介の場合は、募集に使うコストは「変動費」の性格が強くなります。

これも乱暴な物言いですが、同質の求職者であれば、一人より二人、二人より四人と、候補者が増えるほど、入社が決定する確率は倍々に増えていきます。あくまで「派遣よりは」ですが、募集力が短いスパンで売上に変わります。

先日お会いした人材紹介の会社様も、紹介事業での売上は年間3億円前後と推察されるのですが、一ヶ月にリスティング広告だけで300万円をかけているとおっしゃっていました。それほどまでに、募集費に対する感覚が違うのです。

図2:人材紹介会社から見る広告費の性質

だからこそ、大手人材紹介会社はエンジニアを採用したり、募集マーケティングの担当部署を独立させるなどの策を、全社的に行っているのではないでしょうか。

そして、自社のウェブメディアを積極的に拡張、紹介するエンジニア未経験人材の育成のために研修を展開するなど、人材確保の参入障壁をコツコツと築き上げているのです。

 

人材派遣・人材紹介会社が取り組むべきこと

先ほど、小規模の人材派遣会社は、自社の売上拡大のために、何をすべきか。という問題を棚上げしていました。
結論から言うと、人材紹介事業を始めるというのは有力な策になるのではないでしょうか。
そして、人材紹介で出た利益を、人材派遣の募集費に充てていく。こうすることで、派遣事業の規模よりも多くの募集コストを捻出できます。また、基本的に正社員になりたいというニーズは高いので、人材派遣よりも人材紹介の方が、応募のハードルは下がります。そこで、紹介には至らないスキルの人へ、派遣・紹介予定派遣の仕事を紹介できる可能性も出てくるでしょう。

一方、人材紹介会社は何をすべきでしょうか。すでに申し上げた部分でもありますが、独自の人材確保ルートをコツコツと作り上げていくべきです。広告費用がかけやすいからといって、とにかくジャブジャブと募集費用を使っていると、いつまでも広告費競争からは抜け出せません。人口が確実に減少している日本においては、中長期的に苦しくなってくることも明白です。

例えば、看護士の募集を強化・安定させたかったら、看護士が転職を考えていない段階から囲い込むべきです。看護技術の意見交換の場をウェブで提供しても良いですし、愚痴を言い合う掲示板を作っても効果的かもしれません。

ただ単純に、自社の募集サイトをブラッシュアップし、コンテンツを充実させるという王道を突き進んでも効果は高いです。

是非、今後の事業戦略にお役立てください。

 

人材ビジネス経営レポート 2016.2より抜粋


さいごに

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