新・新卒採用ノウハウ―採用後のミスマッチはなぜ起きるか

「せっかく採用した新卒社員がすぐにやめていってしまう。」
このようなミスマッチはなぜ起きるか、どのようにして防ぐのか、新しい新卒採用のノウハウを解説します。

就職活動の主役は誰か?

就職活動の主役は誰でしょうか?企業でしょうか?それとも(新卒採用であれば)学生でしょうか?

答えは、「当事者によって異なる」というのが正解です。

企業からすれば、学生がスーツを着て就職活動をする期間は、例えるなら漁の解禁期間のようなものです。多くの「おいしそうな」学生の群れの中から良い人材を出来るだけ多く採用できるように尽力します。
この場合の主役は、なんといっても「漁をする側の」企業でしょう。

一方の学生からすれば、自分たちがスーツを着て「就職活動中です!」といえば、企業は喜んで自分たちの「おいしいところ」を紹介してくれます。社会人になってからでは絶対に入れないような企業のオフィスに堂々と入ることができます。いわば、就職活動生の特権です。
この場合の主役は、やはり「特権を行使できる」学生になります。

さて、前述の文章では、少し引っかかる表現をしました。
「おいしい」というのが共通のワードです。

なぜこのような表現になるかといえば、企業も学生も互いに自分の良いところ、「おいしいところ」“だけ”を前面に出してアピールするからです。
もっと言ってしまえば、互いに自分の「おいしくないところ」を包み隠し、嘘を付き合っているのです。

こうなると、就職活動は「企業と就職活動生の嘘の見破り合い」になってしまいます。もはや闘いの域に入っていきます。(本来あるべき就職活動の姿ではありませんが…)

本記事では企業目線で、この「嘘の見破り合い」という闘いに勝利するために知っておきたいことを紹介、解説します。
それらは企業自身を見つめることでもあり、また就職活動生のことを知るということでもあります。

もちろん就職活動生も、企業のホンネを知るという意味では有意義な内容になることをお約束します。

就職活動生のウソ

まずは、就職活動生(以後、就活生)の生態について理解しましょう。

(参考:http://www.inc.com/marcel-schwantes/science-81-percent-of-people-lie-in-job-interviews-heres-what-top-companies-are-.html
「The Job Interview Will Soon Be Dead. Here’s What the Top Companies Are Replacing It With | Inc.com」)

企業の採用活動において、対面式の面接を行わない企業はほとんど存在しないでしょう。日本式の採用活動であれば、以下のようなフローが一般的です。

1. 会社説明会(あるいは合同説明会)に案内する
2. エントリーシートを提出させる、「手書きの」履歴書を提出させる(書類選考)
3. 対面の面接を行う(面接選考、通常複数回行う)

このフローの中で、「3.対面する採用面接
のみ、他の選考過程と本質的に異なるものになります。
一体どこが異なるのか。

それは、「企業側が質問する機会」があるという点です。それぞれを分解して見てみましょう。

1. 会社説明会(あるいは合同説明会)
企業が自分たちのことを説明する
2. エントリーシート・「手書きの」履歴書を提出させる(書類選考)
就活生に自身のことを説明させる
3. 対面の面接を行う(面接選考)
企業が就活生に質問する

書類選考の時点でも、企業が求職者に何らかの質問をするケースも考えられますが、そのほとんどは「それまでの経歴・経験・抱負」といったように、就活生の自分語りを促すものですから、あくまでも企業は受け身です。
しかし面接選考になると、企業は自分たちの職場にマッチする人材かどうかを確認すべく、色々な質問を就活生に投げかけます。「~の資格は持っているか」「~はできるか」など、自分たちが求めるスキルを就活生がもっているかどうかを確認したがるのです。

そして、ここに大きな落とし穴があります。

上記の参考記事では、求職者のなんと81%が採用面接時に嘘をついているということが明らかにされています。あくまでも米国の調査ですから、そのまま日本に当てはめられるわけではありませんが、自分たちが就活生だった頃のことを思い出すと、納得される方も多いのではないでしょうか。

では、なぜそれほどまで多くの就活生が採用面接で嘘をつくのでしょうか。
それは、企業が就活生に投げかける質問に大きな原因があるようです。

就活生の立場に立って考えてみてください。

就活生が求めているのは面接官と世間話をすることではなく、その企業での採用決定です。
ですから、その窓口である面接官に対して、決して悪い印象を与えたくないと思うはずです。
そこで面接官から「~の資格は持っている?」「~できる?」と質問されれば、絶対的に出来ないようなことでない限り、多少無理をして「Yes」と言ってしまうのではないでしょうか。

このように、就活生は面接官の意に沿うような、耳触りの良い言葉を選んで返してしまう傾向があるのです。そして面接官は往々にしてこれを真に受け、両者の認識のギャップが広がっていきます。

面接官の誤解

さらに上記の調査では、面接官に以下のバイアスがかかっていることも指摘しています。

外見が良いほど有能である
(男性の場合)高身長ほどリーダーシップがある
声が低いほど信頼がもてる

どれも客観的根拠のない評価ですが、こういったバイアスが常に面接官にかかっているのです。

就職活動生の誤解

面接官に誤解(バイアス)があるように、就活生にも誤解があります。
それは、就活生が思う「企業が求めている人物像」と、企業が思う人物像が一致していないことです。

少し前のデータになりますが、2010年に経済産業省で行われた「大学生の「社会人観」の把握と「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査」(リンク:http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/201006daigakuseinosyakaijinkannohaakutoninntido.pdf)では、とても興味深い結果が出ています。

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