派遣業界はブラック?それでも選ばれる派遣会社とは?

ブラック業界と呼び声の高い派遣業界が、本当にブラックなのか検証、解説します。 またその中でも選ばれる派遣会社の特徴を解説します。


ブラック業界の定義

昨今、時間外労働や過労死などが社会問題となっています。世間(特に若者を中心としたネット社会)ではそういった問題を抱える企業を俗に「ブラック企業」と称し、批判しています。
ブラック業界とは、そういった「ブラック企業」が多く属する業界、あるいはその傾向がある業界のことを指します。

そして、ネット上では派遣業界がいわゆるブラック業界として批判の的になっています。はたして、これはどこまでが真実で、どこまでが嘘なのでしょうか。
本記事では、ネット上に溢れる「派遣業界のホントとウソ」を明らかにしていきます。

先述の通り、ブラック業界は「ブラック企業」が多く属する業界、と定義しました。
それでは、「ブラック企業」の定義とは何なのでしょうか?

ブラック企業の定義

厚生労働省

ネット上での「ブラック企業」の定義は後述するとして、厚生労働省はこの「ブラック企業」をどのように定義しているのでしょうか。

答えは、「明確な定義はされていない」というのが実情です。

ただし、「法に違反しているか否か」が、いわゆる「ブラック企業」であるかないかの判断となりそうです。
2015年12月に「若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況」という報告書が公開されていますが、なんと調査対象となった企業のおよそ8割に法令違反を指摘しているのです。

仮に、「法に違反している企業」=「ブラック企業」であるならば、全国の企業のおよそ8割は「ブラック企業」ということになりますね。

ネット

そもそも、「ブラック企業」という言葉が流行したのはいつからなのでしょうか。
2008年6月に『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という書籍が発売され、翌年の11月には映画化されました。世間一般的に「ブラック企業」という言葉が浸透し始めたのはこのあたりではないでしょうか。

この書籍は電子掲示板『2ちゃんねる』の書き込みを題材に書かれていますから、やはり「ブラック企業」の出所はネットからだと見て間違いなさそうです。

では、ネット上ではこの「ブラック企業」はどのように定義されているのでしょうか。
実は、これも「明確な定義はされていない」のです。故に、発信者によってその定義が変わる曖昧なものだといえます。
その中でも、特に共通している定義は以下の通りです。

・長時間労働(時間外・休日労働)
・サービス出勤
・大量採用・大量離職(離職率が高い)
・給料が安い
・職場の雰囲気が悪い
中小企業であること

客観的に判断できるものもあれば、主観的にしか判断できないものもあります。
また「中小企業であること」というのは、上記の要素をすべて備えている企業(安定していない企業)=中小企業という偏見によって導き出されているものもあります。

厚生労働省の調査と、ネット上での(曖昧な定義)を鑑みると、むしろ「ブラック企業」でない企業(ホワイト企業)を探す方が難しくなるのではないでしょうか。
また、日本で会社に勤めている人の大半が「ブラック企業」で苦労をしているということになるでしょう。

しかし、それは事実でしょうか。

仮に日本で会社に勤めている人の大半が「ブラック企業」で不当な扱いを受けているならば、ストライキやデモがもっと大々的に行われて然るべきではないでしょうか。(無論、各地で小規模のデモなどは行われています。)そういった現象がない以上、「ブラック企業」が大半を占めている、というのは事実ではなさそうです。

また、ネット上での「ブラック企業」の定義が主観に頼るものが多いことから、最終的には「人によってブラック企業の定義が違う」ということにならざるを得ないでしょう。

以上のように、「ブラック企業」の定義は、「人によって異なる」という結論が導き出されました。
その「ブラック企業」の集合体ともいえるブラック業界ですから、こちらも同様に「人によってブラックの定義が異なる」という結論が導き出されるでしょう。

派遣業界はブラック?

先述したように、ブラック業界の定義は人によって異なります。
考えても見れば、ITや広告、金融や不動産、そして医療など、どれをとってもブラック業界の烙印が押されています。派遣業界も同じようにブラック業界の烙印を押されていますが、結局のところ「他業種と変わらない(同じ)」なのです。
つまり、もはや「ブラック企業」やブラック業界という烙印は意味を持たないのです。

しかし、それでもネット上には「ブラック企業」に対しての批判や攻撃が続いています。
一方で、その企業を逆に「ホワイト企業」だと褒め称えるようなものはほとんどありません。
情報を発信する当事者の立場になって考えてみるとわかりやすいですが、その企業に勤めて嫌な思いをした人はネット上に情報を拡散しますが、嫌な思いをしていない人は「何もしない」のです。する必要、動機がないのです。
ですから、巷にはその企業に対する批判が多く目立つようになります。

さらに、派遣業界は「人」を商品として扱う業界ですから、「派遣会社に勤める人」と「派遣会社に扱われる人(派遣社員)」といったように、通常の業種の2倍の人間が関わることになります。よって、単純にその企業に対する不満を抱く人間も2倍になり、殊更派遣業界がブラックだと呼ばれる所以になるのではないでしょうか。

選ばれる派遣会社とは?

派遣業界は決してブラック業界ではありませんが、それでも既についてしまったマイナスイメージを無視することはできませんし、それを払拭していくのもかなりの努力と時間が必要になってきます。
また、一部の派遣会社と派遣先企業の労働環境が劣悪であることも事実ですから、こういった企業を早急に改善していく必要があります。改善されない企業は、やがて淘汰される一方です。

選ばれる派遣会社、淘汰されない派遣会社になるためにはどのようなことを心がければ良いのでしょうか。

1. 「人」を理解する

最も根本的なことですが、「人」を理解できずして企業を運営することは不可能です。特に人材サービス会社は、商品自体も「人」ですから、商品価値を育てる=人を育てることに他ならないのです。
このような視点が欠けていると、やがて社員を「人」ではなく「モノ」として扱うようになります。それは社員全員の面相や雰囲気に現れます。これが「ブラック企業」の入り口です。
一方で、この視点を持ち続けることで、少なくとも社員や利害関係者に嫌われることはなくなるでしょう。故に「ブラック企業」になる危険性はグッと少なくなります。
しかし、それだけでは会社の利益を上げることはできません。

2. 「問題や課題」をビジネスチャンスに

現代日本の抱える問題はとても多いです。男女の雇用格差や少子高齢化、若手社員の早期離職、過労死問題、ニートやフリーターの増加など、あげたらきりがありません。
しかし、これらに共通するのはすべて「人」が関わっているということです。
「人」を理解していれば、これらの問題にいち早く気づき、そして改善策を見出すことができるはずです。故に、こういった問題や課題をビジネスチャンスに転換してく、その姿勢が重要になってきます。

3. 「信頼」こそすべて

いくら画期的な、完璧なビジネスモデルを構築して実行したところで、利害関係者の信頼を得ることができなければその事業を成功させることは叶いません。
では、どのようにすれば信頼を得られるのでしょうか。
それは、「理念を持つこと」に尽きるのではないでしょうか。
インターネットが普及した現在、ちょっとした不祥事ですぐに炎上し、そのマイナスイメージは加速度的に全国へ広まります。そういったマイナスイメージは人の記憶に残りやすく、簡単には払拭することができません。
不祥事というのは、経営者や社員の気の緩みから生じます。気の緩みの原因はいろいろありますが、その最たるものに「理念の形骸化」があげられるのではないでしょうか。
人材サービス業というのは、まず「労働者のため」、そして「企業のため」の事業であるべきで、これが理念です。この理念を忘れ、目先の利益をあげることだけが目的となってしまったら、それは社会的に受け入れられず、瞬く間に信用を失っていくでしょう。
重要なのは、いかに「理念」を守り、売上をあげて、信頼を勝ち取るかです。

統括

ネット上ではしきりに「ブラック企業」に対する批判や攻撃がされていますが、冷静に考えてみると彼らは決して大多数の意見ではなく、むしろマイノリティに属するのです。派遣業界では業態の構造的に、相対的にマイノリティの数が多くなるために、そういった批判がより目立つだけなのです。派遣会社を真面目に経営している、あるいはそこで普通に働いている社員にとってはこの上なく迷惑な話ですが、一方でこういったマイノリティを無視しては、それは「ブラック企業」に成り下がってしまいます。選ばれる企業、淘汰されない企業づくりのためには、こういったマイノリティの意見を尊重し、対応していく経営努力が不可欠となるでしょう。

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参考サイト

若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況 |報道発表資料|厚生労働省

ブラック企業の見分け方|エンジャパンの転職大辞典|エン転職

若者が考える「ブラック企業」のトンデモな定義|就職できない若者の「トンデモ言動」|ダイヤモンド・オンライン

ブラック企業の定義と9つの特徴 – 履歴書Do

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