派遣法?職業安定法?派遣にまつわる法律をピンポイント解説!

派遣法や職業安定法、また印紙税法や保険、マイナンバーなど、派遣業界にまつわる法律の全般をピンポイントでわかりやすく解説します。


派遣法をピンポイント解説

派遣社員の「3年ルール」

よく混同しがちな数字の例として、「派遣社員の3年」と「契約社員の3年(5年)」があげられます。
これらの数字は、どちらも派遣社員(契約社員)として雇用できる期間を示しています。

実は細かいところで異なる点があり、しかもかなり重大な違いなのですが、これを混同してしまっている方、そもそも違いがよくわかっていない方が多いのではないでしょうか。
本項では、曖昧になりがちな「派遣社員の3年」と「契約社員の3年(5年)」を徹底解説します。

派遣社員には、「1人の派遣社員が派遣先企業の同じ部署で勤務できる期間は、3年が上限」という期間制限があります。
一方の契約社員は、「1回当たりの契約期間の上限は一定の場合を除いて3年が上限」という期間制限です。
字面を見れば違うことはわかるのですが、具体的には何が違うのでしょうか。

派遣社員の「3年の上限」は、3年が経過した時点(抵触日)で派遣社員としてその業務で働くことができなくなってしまうことを指します。派遣先企業が継続してその派遣社員を「同じ業務で」働かせたい場合は、直接雇用契約を結ぶ義務が発生します。
注意したいのが、「同じ業務」でなければ、再度その派遣社員を働かせることが可能になる点です。

一方、契約社員の「3年の上限」は、1回あたりの契約期間ですので、契約を更新してしまえば3年以上契約することができます。

以上です。こうやって見ると、実はそんなにややこしくないものであるということができます。

しかし、実は契約社員には「3年ルール」とは別に「5年ルール」というものも存在します。
この規制では、契約社員が「同じ事業所」で累計5年間契約した場合、無期雇用契約への転換の「権利」が契約社員に発生するものです。

この場合は、あくまで「権利」が発生するだけですから、会社は無期契約雇用への転換を義務づけられているわけでもありませんし、契約社員がその権利を行使しない可能性もあります。また、「同じ事業所」というのも条件です。

この契約社員の「5年ルール」と派遣社員の「3年ルール」が、最も混同しやすい部分だと思われます。
この違いを明確にして、混同しないようにしましょう。

ちなみに、人材派遣ではその形態のひとつに「紹介予定派遣」というものがありますが、こちらには上記で解説した「一般派遣・特定派遣」とはまた異なる期間制限が設けられています。混同することはあまりないかもしれませんが、参考程度に頭の片隅に置いておいてください。

職業安定法をピンポイント解説

職業安定法第44条

職業安定法第44条では、次のように定められています。
「何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」

要するに、「労働者供給事業の禁止」を定めた法律です。
ここで「人材派遣は労働者供給事業ではないの?」と疑問に思われる方も多いかと思います。

条文では、「次条に規定する場合を除くほか」とあるので、45条を見てみましょう。
「労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。」
ここでは、「無料の労働者供給」については可能であることがわかりました。ですが、有料の場合はどうなるのでしょうか。

実は、職業安定法第4条第6項で、「労相者供給事業の例外」の規定があります。
「この法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。」

つまり、「労働者派遣」は「労働者供給事業」には含まない、ということですね。

印紙税法をピンポイント解説

印紙税法第5条

まずは、印紙税法第5条の条文を見てみましょう。

別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。
一 別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
二 国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
三 別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの」

それぞれ「別表第一」「別表第ニ」「別表第三」でさらに規定がありますが、さすがに長すぎるので条文は割愛します。

本項での焦点は、「人材派遣の契約書に収入印紙は必要なのか?」についてです。
結論を先に申し上げると、人材派遣の契約書に収入印紙は「不要」です。

詳しくは条文を見ていただくとして、参照すべき箇所は「別表第一」の「課税物件表の適用に関する通則の六」の表です。
ここでは課税される文書について書かれていますが、「請負に関する契約書類」は課税文書であることが示されています。
「人材派遣」は「請負」ではないため、人材派遣における契約書類は「非課税文書」ということになります。

社会保険制度のピンポイント解説

まずは、社会保険を定義しましょう。
社会保険とは、「健康保険(医療)・厚生年金保険(年金)、介護保険(介護)、雇用保険(雇用)、労働者災害補償保険(災害補償)」の5つのことを指します。

それぞれの保険に、加入の条件が設けられていますので、順に解説していきます。

健康保険・厚生年金保険・介護保険の加入条件

健康保険・厚生年金保険・介護保険では、「週の所定労働時間」「月の所定労働時間」「雇用契約期間」「年齢」の要件を満たせば、保険に加入することになります。

また、2016年10月の法改正より短時間労働者(パート等)の保険適用が拡大されました。
以下は、短時間労働者の要件になります。

雇用保険の加入条件

雇用保険法第6条第2項と第3項は、雇用保険の適用が除外されるケースについて規定されています。それぞれの条文を見てみましょう。
第2項「一週間の所定労働時間が二十時間未満である者」
第3項「同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者」

つまり、「契約上の1週間の労働時間が20時間以上であること」「31日以上雇用が継続されることが見込まれること」が加入の条件になります。

労働者災害補償の加入条件

労働者災害補償保険法第3条では、「この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。」と規定されています。つまり、労働者であれば正社員やパート、派遣社員でも関係なく、全員が加入することになります。

マイナンバー制度のピンポイント解説

マイナンバーは取得しなければいけない?

マイナンバーは、たとえごく短期間の派遣であっても取得する必要があります。

では、人材派遣会社と派遣先会社のどちらが取得しなければならないのでしょうか。

答えは、「人材派遣会社」です。派遣先会社はマイナンバーを取得する必要もなければ、取得してはいけないことになっています。
理由としては、その派遣社員と雇用契約を結んでいるのは人材派遣会社だからです。
(詳しくはこちら)

総括

今回は、派遣法や職業安定法、印紙税法など、幅広い法律分野をまとめてみました。法律の条文は読みにくく、その内容も理解しやすいとは言えませんが、仕組みはごく単純です。ぜひ、条文や規制の構造に苦手意識を持たずに、これらに馴染めて頂ければと思います。

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参考サイト

Q1.職業安定法はどのようなことを定めた法律なのですか。|労働政策研究・研修機構(JILPT)

印紙税法

社会保険の加入条件«第1回»派遣社員は社会保険に入れるの?

健康保険法

厚生年金保険法

健康保険法

労働者災害補償保険法

雇用保険法

イナンバーに関するQ&A…提供の可否と本人確認書類の扱い | FP&SR オフィスONE

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