新たな戦略!エリア特化型人材紹介の魅力

東京・大阪・名古屋・福岡などの大型都市をはじめ、新たな戦略として拡大しているエリア特化型人材紹介。
なぜ、エリアに特化したサービスが良いのか?その魅力や、仕組みをわかりやすく解説していきます。


※本記事では初めに、エリア特化型人材紹介について解説するにあたって前段階として、2017年現在の日本の労働市場、人材紹介の仕組みについて解説しています。
エリア特化型の人材紹介のみについて知りたい方は、目次の「エリア特化型の人材紹介の魅力」から読まれることをお勧めします。

日本の労働市場から見る人材紹介のニーズ

エリア特化型人材紹介について解説するにあたり、本章ではまず日本の労働市場の動向から見る人材紹介のニーズについて解説します。

現在の日本の労働市場を考えるにあたって注目したいのは、日本の人口推移です。
ご存知の通り日本は少子高齢社会となっております。総務省が2017年9月に発表した2016年の人口推移統計によると、日本の人口は6年連続減少、減少幅は6年連続広がっている事がわかりました。更に、65歳以上の割合は4人に1人を超え27%となりました。
これに伴って特に問題となっているのが、生産年齢人口(15~64歳の人口)の減少です。
国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した人口の将来推計によると、現在の生産年齢人口は約7600万人となっています。しかし、2030年には7000万人を切り、2040年には6000万人を切ると予測されています。

図:将来推計人口の年齢構造比

(国立社会保障・人口問題研究所出典の人口統計資料集(2017改正版)より作成)

上記の図は将来推計人口の年齢構造比です。青色で示されているのが生産年齢人口です。
2017年は59.9%ですが年々減少し、2050年には51.8%にまで下がると予測されています。この事から、日本全体の人口減少以上に生産年齢人口が減少していく事がわかります。
当然ながら、この生産年齢人口の減少は日本の労働力人口の減少に大きく影響します。企業はこの減少し続ける労働力人口の中から人材を採用していかなければなりません。日本の労働市場では、労働力獲得競争の激化が予測されているのです。
この激化の波は既に始まっています。総務省が2017年9月に発表した同年8月の有効求人倍率は1.52倍を示しました。これはバブル期(1.46倍)を上回る高水準であり、日本は現在、超売り手市場となっています。どの業界も労働力人口減少の影響を受け、新たな人材の獲得に必死となっている状況が続いています。

※労働力人口とは就業者数と完全失業者数(働く意思があるが働いてない求職中の人など)の合計人数を指します。生産年齢人口には労働意思の無い層の数も含まれるため、労働力人口と直結はしません。

日本の労働市場はこの様な課題を抱えている故に、企業の採用をサポートする人材紹介への期待が高まっているのです。どの企業も限られたコストの中から確実に優秀な人材を獲得するため、人材紹介を利用しています。この先も人材獲得競争の波は更に増すため、人材紹介のニーズも更に高くなっていくと考えられます。

そもそも人材紹介とは

前章では、人材紹介の仕組みには触れずに解説したので、本章では“そもそも人材紹介とは何か”について解説していきます。人材紹介の仕組みを既にご存知の方は、次章からお読みください

*人材紹介の仕組み*

 


人材紹介とは、厚生労働大臣の認可を受けた職業紹介事業者(人材紹介会社)が、企業と求職者を結びつけるビジネスです。
企業側と求職者側に分かれてそれぞれ担当し、企業側は企業を訪問してヒアリングを行いながら求人案件を獲得し、求職者側は転職を希望する求職者の希望や職歴、志向性を聞いた上で求人を紹介し、選考のサポートを行います。
求職者の内定が決まって内定を受諾し入社することで、初めて成功報酬としてお金が発生します。

報酬の具体的な金額、法律のことなど、より詳しい仕組みを知りたい方はこちらをご覧ください。
簡単に分かる人材紹介会社の仕組みと手数料(報酬)決定版

特化型人材紹介とは

前章では人材紹介の仕組みについて解説しました。
本章では、人材紹介における新たな戦略、特化型人材紹介についてのメリットを解説します。

人材紹介のニーズが高まっていることについては解説しましたが、それに伴って人材紹介を行う企業も増えてきています。

図:厚生労働省「職業紹介事業報告書の集計結果」より作成

上記の図はここ5年間の人材紹介を行う企業数の推移を表したものです。この図からわかることは、人材紹介を行う企業はここ5年で顕著に増えてきているということです。
実は、人材紹介に限らず人材業界全体は“大手からベンチャーまで基本的なビジネスモデルがほとんど変わらない”というのが特徴です。つまり、現在18000件以上の企業が似たようなビジネスモデルの元、競い合っていると言えます。

このため重要となってくるのが他社に負けない“強み”の確立です。その戦略として多く用いられるものが、専門性を高める“特化型人材紹介”と呼ばれるものです。多くの企業が他社との差別化を図るために「扱う人材を絞る」「扱う業種を絞る」といった様にある分野に特化した人材紹介サービスを行っているのです。この戦略によって特化した分野での信頼性を高め、総合型である他社と差別化することができます。そのため現在の人材紹介ビジネスにおいて、特化型人材紹介を行うことが主流となってきているのです。

では、具体的にどの分野に特化することが戦略的なのでしょうか。
本記事では、新たな戦略として“エリア特化型”人材紹介を提案し、その魅力を解説していきます。

 

エリア特化型の人材紹介の魅力

エリア特化型の最大の魅力は、そのエリアにおいて大手に負けない情報力を武器にできるという点です。
前章でも述べた様に、人材紹介は大手からベンチャーまでビジネスモデルがほとんど変わらないため、企業側も求職者側も大手の人材紹介を利用する傾向が多いのが事実です。しかし、全国網羅しようとする大手に対してあるエリアに特化する戦略を取ることで、そのエリアに根差した情報力を身に着けることができます。この情報力が武器となるのです。
大手の人材紹介事業所の地方案件は、大手企業の地方支店といった案件が多くを占めています。一方でエリア特化型の人材紹介事業所には、地元企業からの信頼も生まれ、大手人材紹介事業所には無いコアな求人案件も獲得できます。経営者の方から直接オーダーされた独占案件なども多数あります。
このため地方に住む人や、地元に戻って働きたい人など、そのエリアで働く事を望む求職者はエリア特化型人材紹介を利用します。この様にエリアを絞ることで、そのエリアにおける企業、求職者のシェアを上げることができるのです。

もう1点の魅力は、地方エリアに特化した場合、大手では地理的に難しい手厚いサービスを地方の求職者に対して行えるという点です。
大手人材紹介事業所の多くは大都市圏に本社や支店を構えており、地方に拠点を構えている事業所が少ないのが現状です。人材紹介は、求職者に対して転職エージェントやカウンセラーが面談などを重ねて就職のサポートを行うサービスがメインです。しかし、拠点が大都市圏にあるため、こういった就職支援サービスを受けられる地域が制限されてしまうというデメリットが生まれます。このため地方に住む求職者は“サービスを受けられるエリアまで自ら通う”か、“電話での対応によってサービスを受ける”という不便な現状にありました。
しかし、エリア特化型人材紹介は自らのエリアに拠点を持つので、地方の求職者に対してもその様なデメリットを感じさせることなく手厚いサービスを行うことができるのです。

 


更に、地元に密着した企業を紹介することが可能であるため、転勤の心配なく働くことを望む女性・シニアからも支持されています。
この様に、エリアに特化することで、そのエリアの企業、求職者のシェアを上げること、そのエリアにおいて手厚いサービスを行うことが可能になります。他社との差別化も十分に図れるため、エリア特化型の人材紹介は戦略として非常に有効だと言えるでしょう。また、エリア特化型人材紹介はまだ全エリアに事業所が展開しているわけではありません。ライバル企業が少ないというのも魅力の1つです。

では、具体的にどの様な場所にエリア特化型人材紹介事業所があるのか、どこのエリアにターゲットを絞ればよいのか、その一例を紹介します。

エリア特化型人材紹介をするなら

特化型人材紹介を行うデメリットとしてその市場に依存するため“市場の景気に左右されやすい”という点があります。エリア特化型人材紹介は市場の景気の影響こそ受けにくいですが、そのエリアに依存してしまいます。なので、「経済発展しているエリア」もしくは「これから経済発展が望めるエリア」をターゲットにすることをお勧めします。
仮に、まだそのエリアに特化した人材紹介事業所が無いからといって立ち上げたとしても、そのエリアの企業数、労働力人口が少ないようでは元も子もありません。そのためある程度の母数が見込めるエリアに特化する必要があります。

具体的に存在するエリア特化型人材紹介の多くは東京、大阪、名古屋、福岡といった大都市特化です。大都市では企業数、労働力人口共に十分に見込めます。また“1都市に特化する”ことで、全国展開する大手企業に負けない情報量を身に着けているようです。その他に、東北、関東、関西、九州といった地方単位でサービスを行っている事業所も多くみられます。地方という大きな枠で捉えることで、母数の見込めないエリアもカバーしています。


 

多くのエリア特化型はこのような形態ですが、大都市ではないエリアに特化した人材紹介事業所も多く現れています。政府も地方創生に力を入れており、地方の経済発展の動きも更に強くなることでしょう。
また将来、まだ登場していない様々な分野の「特化型」人材紹介が現れることが考えられます。エリア特化型においても、さらに絞られた地域に特化した事業所が出てくる可能性も在り得るかもしれません。

まとめ

2017年現在の日本は、人材不足が問題となっています。2040年には生産年齢人口が6000万人を切ると予測されており、将来更なる労働力獲得競争の激化が予測されます。
この様な事から、人材紹介の需要が高まっています。
人材紹介を立ち上げる際に重要なのは、自社の強みを確立することです。その手段として特化型の人材紹介を行うことが主流となってきています。
その1つの手段として、エリア特化型人材紹介は非常に戦略的です。

①そのエリアにおいて大手に負けないコアな情報まで確保できる。
②地方求職者に対する手厚いサービスが可能。
といった特徴があり、特にその地域の企業、求職者から注目が集まっています。エリアを絞ることによって差別化も生まれ、他社に負けない強みとなります。是非、エリア特化型人材紹介を検討してみてはいかがでしょうか。

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